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2005 年度 実績報告書

多様体上の幾何不変量とリー変換群の作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17340019
研究機関首都大学東京

研究代表者

神島 芳宣  首都大学東京, 都市教養学部・理工学系, 教授 (10125304)

研究分担者 神谷 茂保  岡山理科大学, 工学部, 教授 (80122381)
相馬 輝彦  東京電気大学, 理工学部, 教授 (50154688)
大鹿 健一  大阪大学, 理学研究科, 教授 (70183225)
藤原 耕二  東北大学, 理学研究科, 助教授 (60229078)
MARTIN Guest  首都大学東京, 都市教養学部, 教授 (10295470)
キーワード擬共形4元数構造 / 普遍モデル / 擬共形4元数CR幾何構造 / Chern-Moser曲率形式 / Spherical CR幾何 / パラボリック幾何 / 擬共形4元数CR曲率 / 標準平坦モデル
研究概要

擬共形4元数構造と普遍モデルの構成に関して,4n+3次元多様体M上の擬共形4元数CR幾何構造と呼ぶ余次元3のカルノー・カラテオドリー幾何構造を考え,その幾何的性質を調べてきた.この年度前半,神谷,ゲスト,酒井氏等と共に幾何不変量としての曲率形式を構成し,その消滅が多様体Mを平坦擬共形4元数CR幾何(Aut(Σ_H),Σ_H)に一意化することを示した.この定義がChern-Moser曲率形式を不変量とするSpherical CR幾何の一般化になっているかどうかをさらに調査した.前半での研究方法により一般的な幾何構造の範疇に属する4元数擬共形幾何学の概念を導入することが可能になった.この幾何構造は4n+3次元多様体M上の余次元3の共形デストリビューションDと各点の階差接空間T_xM=g^<-2>+g^<-1>が4元数ハイゼンバーグリー環に同型という条件を満たすものである.一般論よりこれはパラボリック幾何であるからMは標準Cartan接続を持ち,したがってMaurer-Cartan接続の曲率が消滅するとき,平坦モデル(PSp(p+1,q+1),S^<4p+3>×S^<4q+3>/sp(1))が得られる.しかしこれはリー代数的に構成された曲率が零と言う意味で,幾何的にどのような平坦性かはまだわからないため,今後の研究課題である.後半はもうひとつの問題,不定符号の場合,一般論として平坦モデルS^<4p+3,4q>=S^<4p+3>×S^<4q+3>/sp(1)がとれるわけであるがこれは幾何的に構成したモデル空間Σ^<3+4p,4q>_Hを稠密開部分多様体として含んでいる(特に定正符号の場合は二つの空間は一致.)この場合Σ^<4p+3,4q>_H上にのみ自由に作用する3次元リー群Sp(1)があることがわかり,主束Sp(1)→Σ^<4p+3,4q>_H→Σ^<4p,4q>_Hを考える時,この主束の接続形式すなわちsp(1)-値1形式ω=ω_1i+ω_2J+ω_3kを使ってΣ^<4p+3,4q>_H上に擬共形4元数CR構造を定めることを証明した,この考察の下でさらに次のことが成立することを示した.その擬共形4元数CR構造はS^<4p+3,4q>の標準4元数擬共形幾何構造D_0に従属している.このとき付随する擬リーマンアインシュタイン計量は開多様体としてのΣ^<4p+3,4q>_H上に存在するがS^<4p+3,4q>には伸びない.この類似の結果が当然CR構造にもあり,Chern-Moserが平坦CRモデルといっていた2次曲面Σ^<2p+1,2q>_Cは不定符号の場合Cartan接続から出てくる平坦モデルS^<2p+1>×S^<2q+1>/U(1)とは幾何的に異なるということになってしまう.実際,本質的な違いは擬共形4元数CR幾何構造の場合は積分可能を与える3個の式が同時にその構造を保つ局所リー群Sp(1)の存在まで示すのに対して,擬CR幾何構造においては同様に積分可能を与える一個の式だけでは,CR構造を保つリー群U(1)の局所的存在すら出てこないことに起因する.今後はまた、アレキセイエフスキー氏とまだまだ,解明されない点を多く含んでいるこの幾何構造を継続して代数的,幾何的に調べていく.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Heisenberg, Spherical CR geometry and Bochner flat locally Conformal Kaehler manifolds2006

    • 著者名/発表者名
      Yoshinobu Kamishima
    • 雑誌名

      Journal of Geometric Methods in Modern Physics (近刊)

      ページ: 1-23

  • [雑誌論文] Cusp cross-sections of hyperbolic orbifolds by Heisenberg nilmanifolds I2006

    • 著者名/発表者名
      Yoshinobu Kamishima
    • 雑誌名

      Journal of GEOMETRIAE DEDICATA (近刊)

      ページ: 1-16

  • [雑誌論文] Classification of Bochner flat Kaehler manifolds by Heisenberg, spherical CR geometry2006

    • 著者名/発表者名
      Yoshinobu Kamishima
    • 雑誌名

      ESI preprint series, no.1779, Vienna (近刊)

      ページ: 1-32

  • [雑誌論文] Pseudo-conformal quaternionic CR structure on (4n+3)-dimensional manifolds2006

    • 著者名/発表者名
      Yoshinobu Kamishima (Alekseevsky)
    • 雑誌名

      ESI preprint series, no.1779, Vienna (近刊)

      ページ: 1-44

  • [雑誌論文] Geometric flow on compact locally conformally Kaehler manifolds2005

    • 著者名/発表者名
      Yoshinobu Kamishima (L.Ornea)
    • 雑誌名

      Tohoku Mathematical Journal 57

      ページ: 201-221

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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