研究課題/領域番号 |
17340023
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
楠岡 成雄 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (00114463)
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研究分担者 |
吉田 朋広 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90210707)
高橋 明彦 東京大学, 大学院経済学研究科, 助教授 (50313226)
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キーワード | リスクの計量化 / リスク尺度 / 保険 / 拡散過程 / 吸収壁 / ディリクレ境界条件 / マリアバン解析 / 法則不変性 |
研究概要 |
今年度はまず多期間価値尺度に関する基礎的研究、特に法則不変な多期間リスク尺度の極限に関する研究を行った。特に確率過程論で重要なブラウニアン・ポアソンフィルトレーションにおけるリスク尺度においての極限定理の研究を行った。その研究の結果、特にブラウニアンフィルトレーションに関しては、極めて簡単なもののみが極限で現れることが示されている。 また、リスク尺度の具体的な計算方法を目指して、拡散過程の期待値の数値計算法について、いわゆる楠岡近似についての研究を行った。平成17年度以前にもこれについては研究を行っていたが、特にガウス型近似法でさらによい精度の計算法を発見した。また、ディリクレ境界条件に対応する吸収壁を持つ拡散過程の期待値の計算法について、新たなアイデアが見いだされた。現在までの所、特殊な場合のみ楠岡近似に相当する方法が出来上がっている。この場合も吸収壁の影響より、空間対称性が崩れるために、計算すべき非可換代数がより複雑であるため、境界条件のない場合に比べて計算精度が今のところ少し落ちる計算方法のみが見つかっている。なお、これに関して、部分マリアバン解析の新たな適用法が見つかり、偏微分方程式論の立場からも全く新しい評価が見つかっている。また、これらの結果の局所化についても着手した。 なお、旧来のVaRなどの実務の計算法に対して、それがどこまで正当化できるかどうかの新たな枠組みを考えた。まだ、具体的な結果を得ていないが、来年度に本格的に研究に取り組む予定である。
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