研究課題/領域番号 |
17340027
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
西田 孝明 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70026110)
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研究分担者 |
国府 寛司 京都大学, 大学院理学研究科, 助教授 (50202057)
川中子 正 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (20214661)
中尾 充宏 九州大学, 大学院数理学研究院, 教授 (10136418)
田中 和永 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20188288)
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キーワード | 非線形偏微分方程式 / 解空間の大域的構造 / 熱対流問題 / 力学系 / 非線形波動 / 計算機援用証明法 / 自由表面問題 |
研究概要 |
(1)自由表面を持つBenard-Marangoni熱対流問題の解析として、線形系の精密なresolvent評価を行って線形系が解析半群を生成していることを示した。それをLyapunov-Schmidt法と固有値問題の解明によってRayleigh数あるいはMarangoni数が臨界値に達した時に、定常分岐(ロール型の解、六角形型の解など)および周期解分岐を起こしている事を示しつつある。 (2)熱対流問題の解の分岐現象の研究で、二次分岐検証のために数値的存在検証手順を定式化し、スペクトル法が使える場合のロール型の第二モードの解の分岐曲線上でRayleigh数が比較的小さい所で起る二次分岐点を特定する数値的存在証明に成功した。二次元問題では、Rayleigh数が臨界Rayleigh数の10倍程度の所まで現在検証可能であり、その範囲の拡大方法を検討中である。三次元の問題である六角形型の解、長方形型の解の数値的検証存在証明が、臨界Rayleigh数の近くでは出来つつある。 (3)Michelson系と呼ばれる3次元の多項式ヴェクトル場の1パラメーター族に見られるヘテロクリニック軌道の無限回の分岐の集積現象を調べ、その組織中心を分岐理論的に明らかにした。またその機構が実際にMichelson系において起きることを精度保証付き計算と位相的議論を用いて数学的に厳密に証明した。 (4)数値的検証法の計算効率の向上を目的とした基礎定理を改善する研究を行なった。殊に、有限要素法に基づく解の検証法に最適化されたものである。 (5)力学系および非線型楕円型方程式に対する特異摂動問題の研究を行い、高振動のchaotic解の構成および高振動をもつ解の族の存在証明を行った。
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