研究課題/領域番号 |
17340029
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
福山 克司 神戸大学, 理学部, 教授 (60218956)
|
研究分担者 |
樋口 保成 神戸大学, 理学部, 教授 (60112075)
杉田 洋 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50192125)
小川 重義 立命館大学, 理工学部, 教授 (80101137)
濱名 裕治 熊本大学, 理学部, 教授 (00243923)
安富 健児 立命館大学, 理工学部, 講師 (20388127)
|
キーワード | 間隙三角級数 / 間隙級数 / 中心極限定理 / 概不変原理 / 重複対数の法則 |
研究概要 |
この研究により得られた結果は以下の通り。 fは∫^1_0f(x)dx=0,∫^1_0|f(x)|^2dx<∞をみたす周期1の実関数とし、n_kは自然数の増大列とする。間隙級数Σf(n_kx)の部分和の漸近挙動について考える。Philippはfが有界変動であればHadamardの間隙条件n_<k+1>/n_k>1+ρ>1のもとで重複大数の法則lim sup_<N→∞>1/(√<N log log N>)Σ^N_<k=1>f(n_kx)【less than or equal】C a.e.が成り立つことを示した。また高橋は同じ間隙条件のもとでα次のLipschitz連続性(α>0)を持つ函数に対して同様のことを示している。これらの結果は‖f‖_A=∞の場合を含んでいる。しかしこれらの結果は無条件ではより弱い高橋間隙条件へ拡張されないことが以下の結果から示唆される。 Berkesは1/2次のLipschitz連続性を持つ函数で以下の性質を持つものが存在することを示した。すなわち、任意の0<ρ_k→0に対して、lim sup_<N→∞>1/(√<N log log N>)Σ^N_<k=1>c_kf(n_kx)=∞a.e.が成り立つようなn_<k+1>/n_k>1+ρ_kを満たす列とc_k=±1が存在する。 またBerkes-Philippはf(x)=x-[x]-1/2という特別の函数に対して考察し、ρ(k)/ρ(2k)が有界な任意の0<ρ_k↓0に対して、n_<k+1>/n_k>1+ρ_kを満たす列が存在してlim sup_<N→∞>1/(log log(1/ρ_N)√<N log log N>)Σ^N_<k=1>f(n_kx)【greater than or equal】C>0 a.e.が成り立つことを示した。またBerkes-Philippは有界変動なfに対してlim sup_<N→∞>1/(log(1/ρ_<N^2>)√<N log log N>)Σ^N_<k=1>f(n_kx)<∞a.e.という上からの評価を与えている。 これらの結果が示唆するirregularな挙動をするfを特徴づけることの試みの第一歩として以下の結果を得た。 定理.fが不連続な有理点をもつ有界変動函数なら、任意の0<ρ_k→0に対して、n_<k+1>/n_k>1+ρ_kを満たす列と|c_k|【less than or equal】1,γ_N→∞,C>0が存在して<lim sup>___<N→∞>1/(γ_N√<N log log N>)Σ^^N__<k=1>c_kf(n_kx)=C a.e. 以上の結果は学術論文に発表されたことを付記しておく。
|