研究概要 |
年度中に得られた、主な研究成果としては、以下のような物が挙げられる。 中村は、主に、シュレディンガー方程式の特異性に関する研究を行った。長距離型摂動を持つシュレディンガー作用方程式の解の超局所平滑化作用に関する論文を執筆、発表した($C^∞$クラスの場合、解析的クラスの場合))。また、長距離型摂動を持つ変数係数のシュレディンガー型方程式の解の波面集合の特徴付けに関して新しい結果を得た(論文執筆中)。 谷島は、シュレーディンガー作用素の波動作用素の$L^p$空間あるいはソボレフ空間における有界性をとくにシュレーディンガー作用素が連続スペクトルの下端に特異性を持つ場合に研究し、空間の次元が$m geq 3$のとき波動作用素が$m/2$とその双対指数のあいだの$p$に対して$L^p$有界であることを示した。 当研究課題の研究振興のため、国際研究集会「シュレディンガー方程式の解の特異性の研究」を、東京大学・大学院数理科学研究科において、開催した(2006年1月12日-1月14日)。この研究集会においては、A.Martinez, C.Zuily, L.Robbiano, J.Wunsch, M.Zworskiを招へいし、講演と研究交流を行った。また、土居はチュニジアの研究集会で、中村はボローニャ(イタリア)の研究集会で、当研究費を用いて出張を行い、当研究課題に関わる研究発表を行った。
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