研究概要 |
平成20年度には以下の研究結果が得られた。主に研究を進めた分担者・連携研究者・研究協力者を括弧内に記した。 A. 退化主系列の隨伴多様体と冪零錐・部分旗多様体上の軌道について研究し、放物型部分群が偶冪零軌道に対応する場合には、隨伴多様体が半単純軌道の極限(漸近錐)として得られることが分かった。(西山・Trapa・Ciubotaru・松木) B. 部分旗多様体上の軌道の余法束とそのモーメント写像による像である冪零軌道の閉包関係を明らかにした。(西山・太田・落合・松木・和地) D. 調和振動子表現と等方表現を用いたHowe双対性の別証明。(山下) E. カペリ恒等式と対称対のHarish-Chandra写像(西山・和地・Lee) テーマAおよびBに関しては、ユタ大学のPeter Trapa准教授を招聘して、研究連絡を行うとともに、共同研究を含めたセミナー形式の討論を太田・落合・松木・和地とともに行った。また研究成果Aはクロアチアで行われた表現論の国際研究集会にて代表者が発表した。 テーマA.-D.に関して「冪零軌道と表現論」という表題で3月に国際研究集会を雄琴で開催し、海外からもC.B.Zhu, R.Zierau, I.Losev, P.Trapaなどの専門家が参加して活発な討論を行った。この集会における収穫はこの研究課題だけでなく、次の研究への最初のステップとして大きな意味を持っている。
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