研究概要 |
今年度は, 幾何学的函数論および等角不変量に関して以下のような研究を行った. 1. 高階シュワルツ微分の研究(Seong-A Kim氏との共同研究) 昨年度に引き続き, 高階シュワルツ微分に関する研究を行った. Peschl-Mindaによる不変微分作用素を用いることにより, "不変高階シュワルツ微分"というべきものを定義し, その基本的性質を研究し, その応用として単葉性判定法を得た. 2. 平面領域のハーディ指数について(Yong Chan Kim氏との共同研究) 平面領域の座標関数を含むハーディー空間の指数の上限をハーディー指数と呼び, その基本的性質について研究を行った. 特に, 擬等角拡張性を持つ等角写像によってその指数がどのように変化するか, 最大歪曲度によって最良の評価を得た. 3. 錐特異性を持つ双曲計量の研究(Vuorinen氏ら, ならびにKraus, Roth氏らとの共同)錐特異性を持つ双曲計量の具体的な表示を, 3点穴あき球面の場合に与え, いくつかの興味深い性質を導いた.
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