研究分担者 |
舟木 直久 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (60112174)
ヴァイス ゲオグ 東京大学, 大学院数理科学研究科, 助教授 (30282817)
谷口 雅治 東京工業大学, 大学院情報理工学研究科, 助教授 (30260623)
水町 徹 九州大学, 大学院数理学研究院, 助教授 (60315827)
中村 健一 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (40293120)
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研究概要 |
本年度の研究では,主として界面運動と進行波に関する成果が得られた.爆発現象についても大きな進展があったが,成果の発表は来年度に持ち越されることとなった.具体的な成果は以下の通りである. 俣野は,係数が格子周期性をもつ2次元平面上のAllen-Cahn型方程式に関連した変分問題を考察し,複数の遷移層をもつ解が存在するためには,単一遷移層解の集合が様相構造をもたない(すなわち内部にギャップをもつ)ことが必要十分であることを示した(文献1). 俣野と中村は,境界がノコギリの歯状をした2次元帯状領域において界而(曲線)の曲率運動方程式を考え,そこに現れる進行波の速度を調べた.境界が空間周期的に波打つ場合,この進行波は,「周期進行波」として特徴づけられる.ノコギリの歯の間隔を限りなく小さくしていった均質化極限において,進行波の平均速度がどのような値に収束するかを決定した(文献2). ヴァイスは,2相膜問題に現れる自由界面の正則性を研究し,アレキサンドロフの反射法に基づく交点数評価の手法を用いて,界面が2本の滑らかな曲線の和集合であること,およびその安定性を証明した(文献3). 谷口は,平面上の曲率流方程式に現れるV字型進行波の安定性を研究し,従来は遠方で減衰する摂動に対してしか知られていなかった安定性の結果を,遠方で減衰しない摂動を含む場合に拡張することに成功した(文献4). 水町は,2次元の非線形シュレディンガー方程式に現れるソリトン解の不安定性を示した(文献5). 中村は,相分離を記述するある種のモデル方程式を考察し,解の分岐の様子を詳しく解明した(文献6).
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