研究課題/領域番号 |
17340047
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
山田 泰彦 神戸大学, 理学研究科, 教授 (00202383)
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研究分担者 |
野海 正俊 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環重点研究部, 教授 (80164672)
太田 泰広 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (10213745)
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キーワード | 可積分系 / 結晶基底 / 箱玉系 / KKR写像 / 組合せ論 / Bethe仮説 / Painleve方程式 |
研究概要 |
本研究の目的は以下の問題であった。1)可解格子模型におけるBathe仮説の方法から生まれたKKR写像と呼ばれる巧妙な全単写を箱玉系に応用し、逆散乱法的な解の構成を与えること。2)KKR写像そのものの表現論的意味を結晶基底の観点から解明すること。3)箱玉系の表現論的定式化において有効な、組合せR′と呼ばれる変換と離散Painleve方程式に現れるワイル群の双有理表現に密接な関連を通して、離散Painleve方程式と箱玉系双方の解明を目指すこと。これについて、最終年度である本年度は以下の結果を得た。A型以外の箱玉系への拡張については部分的結果を得るに留まった。 1)箱玉系の研究に関しては、国場・坂本・山田による、A型箱玉系の一般ソリトン解ならびにKKR写像の明示的区分線形公式を発展させ、国場、坂本および竹野内は、この結果の周期箱玉系への拡張も考察し、超離散テータ関数による一般解の構成など重要な成果を挙げた。 2)尾角は、幾何結晶の観点から表現論的研究を行い、KR加群の結晶構造や組合せ的Rの理論を進展させた。今後の研究で、箱玉系への応用などが期待される。 3)離散Painleve系に関しては、特に幾何学的な理解が進展し、ワイル群を基本とする表現論的方法から少し離れることとなったが、結果としてPade近似による特殊解の構成という有用な副産物が得られた。これは、楕円Painleve方程式のLax形式に対する重要なヒントを提供することとなった。
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