研究課題
現在は2GHzと8GHzのVLBI観測に使用されている国土地理院つくば32m鏡に水メーザーの周波数である22GHz帯の受信観測システムを搭載し、且つ単一鏡観測もできるような望遠鏡制御システムを開発し、セイファート銀河の活動的銀河核の水メーザーの大規模探査とVLBI観測による詳細構造を明らかにすることを目的としている。本年度は、22GHz帯受信機フロントエンドと中間周波数部の開発および装置制御システムの整備を行った。具体的には、既設のホーンからの出力をポーラライザで左右両偏波に分離し、それぞれを冷却低雑音増幅器で増幅する受信機フロントエンドを開発した。そのため、この部分を20Kに冷却するクライオスタットの設計や必要な冷凍機の選定を行った。またその出力を中間周波数4-8GHzに変換しさらに増幅するための混合器や中間周波数部の設計を行い、製作を開始した。またその出力を光ファイバーで観測棟まで伝送し、さらにビデオ周波数に変換する第二中間周波数の設計も行った。その結果、大気込みのシステム雑音温度が100K程度という低雑音の高性能受信観測システムが実現できる見通しとなった。またホーンの先に設置して、宇宙からの電波の絶対強度を大気吸収も補正して測定するための強度較正装置を設計し、2〜3%以内の誤差で正しい電波強度を得ることができる見通しがついた。また、いろいろな装置をアンテナと時間的な同期を取って制御する必要があり、そのためのパソコンによるコントロールシステムの設計を行い、天体位置の計算ソフトウェアーを作成した。また観測したデータを処理するための解析ソフトウェアーシステムの整備も行った。今後、これらの開発・製作を完了し、32m鏡に搭載して試験を行う予定である。
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Publications of the Astronomical Society of Japan 57
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Astrophysical Journal 620
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