今年度の計画 今年度は、申請した全体計画のうち、以下の4つの項目で研究開発を進めた。 A)45m鏡で観測帯域幅2GHzを実現する、超広帯域の信号変換・伝送及び超広帯域高分散分光システムのシステム設計(担当 全員)。留意すべき点は以下の3点である。 1)信号変換・伝送システムはできるだけ小型化・省電力化する。 2)アナログ変換部では、接続する受信システムに対応して、可変減衰器(>20dB)で対応する。 3)分光システムへの入力は、64MHz並列データECL出力とする。 B)前年度までに試作・機能確認を行った超高速A/D変換LSIを用いて、上記システムに組み込むことが可能なAD変換インターフェース回路の製作(担当 奥村)。 C)超広帯域アナログ変換部の詳細検討(担当:久野)。 D)FX型の分光相関装置(既存 国立天文台三鷹)を野辺山宇宙電波観測所45m観測棟に移設。(本項目は、申請段階では平成18年度の開発項目であったが、平成18年度当初に三鷹内で同相関器が設置されている建物の部屋の移動が行われることを踏まえ、H17年度内に実施することとした。) 今年度の実施概要 各項目について、以下のような成果を得ることが出来た。 A)及びC)IFコンバータ:45mの5-7GHzIF信号は、イコライザー出力で-17dBm、イコライザー入力で-28dBmであることから、現存の試験用IFコンバータ(4-12GHzの2GHz出力;-13〜-18dBm)が使用できることがわかった。IF5-7GHzを使う場合、局部発振信号として9GHzを入力して、2-4GHzに周波数変換する方法となる。 B)FX相関器インターフェース装置:これまでに開発した1ビット曲回路を内蔵でき、試作FXと電気的にインターフェースする(今年度の計画:A)3)参照)装置の設計検討を行い、実際にその製作を開始した。必要となる参照信号は、1PPSのTTL信号と4GHzクロック(正弦波)である。 D)FX型の試作相関器の野辺山移設と単体試験:国立天文台三鷹キャンパスに設置されていた、FX型の試作相関器を三鷹で試験後、撤収し、野辺山45m観測棟2階計算機室に搬入。同所にて、三鷹で行った試験を再度実行し、移設に問題がないことを確認した。
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