研究課題/領域番号 |
17340059
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
富阪 幸治 国立天文台, 理論研究部, 教授 (70183879)
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研究分担者 |
牧野 淳一郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (50229340)
和田 桂一 国立天文台, 理論研究部, 助教授 (30261358)
小久保 英一郎 国立天文台, 理論研究部, 主任研究員 (90332163)
松本 倫明 法政大学, 人間環境学部, 助教授 (60308004)
吉田 直紀 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90377961)
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キーワード | 銀河形成 / シミュレーション / 自己重力 / 粒子法 / 格子法 / 並列計算機 / 並列化 / 専用計算機 |
研究概要 |
1.複数台の計算機を連動して実行する粒子法ベースの銀河形成シミュレーションコードを設計して実装し、並列実行性能の評価を行った。 (1)バリオン及びダークマターの自己重力は、多体近似のもと、Tree法をGRAPE上で実行して計算した。 (ア)複数の計算機に粒子を分配する方法として、空間を再帰的に2分割していくOrthogonal Recursive Bisectionを採用した。このとき体積ではなく、重力計算の負荷を等分割することが計算機間の計算負荷バランスに最重要であることがわかった。 (イ)他の計算機に分配されている粒子からの重力の計算は、重力計算に必要な精度を保持できる最小の情報量を転送する方法を開発した。これにより1ノードあたりに多くの粒子数を持つ場合でも通信時間を圧縮することができ、大粒子数計算が可能になった。 (2)ガスとして存在するバリオンの流体力学的進化にはSPH法を用いた。SPH法は流体を近接相互作用する疑似ガス粒子として解析する。並列化により近傍粒子が他の計算機に分布する場合は、他の計算機に粒子情報を転送し、物理情報を更新して結果を返す方法が効果的であることがわかった。 (3)以上の最適化を行い、16台の重力多体問題専用計算機GRAPEを搭載したPCクラスターを用いて並列性能テストを行い、100万粒子の場合、16台を用いて1台の場合に比べて、重力計算部分は14倍、流体計算は11倍という並列性能を得られることを実証した。 2.格子法ベースの銀河形成シミュレーションコードについては、AMRコードに自己重力を実装し、AMR自己重力流体コードが完成した。これを用いて、ガス雲の自己重力収縮の問題を解き、これまでに出版されている計算結果と一致することを確認した。ベクトル・並列計算機上での高速化を進めている。計算法の詳細を論文に投稿準備中である。
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