研究課題/領域番号 |
17340062
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山口 昌弘 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10222366)
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研究分担者 |
日笠 健一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20208739)
棚橋 誠治 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00270398)
諸井 健夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60322997)
石川 洋 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20291247)
横山 順一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50212303)
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キーワード | 素粒子物理学 / 素粒子論 / 宇宙論 / 超対称性 / 余剰次元 |
研究概要 |
素粒子の標準模型を超える理論について、現象論、宇宙論、そして超弦理論などの知見を結集し、総合的な見地から批判的な検討を加え、また新たな提案を提唱していくことは、緊急性の高い重要な研究であると考えられる。この研究の目的は、素粒子の標準模型を超える理論について、これまでの我々の研究を継続し、それを現象論および宇宙論的観点、さらには超弦理論の観点も加え総合的に検討を進めることで、新たな素粒子像の構築に向けて従来よりも格段に前進することである。 本年度は具体的に次のような研究を進めた。タイプIIB型超弦理論のフラックスコンパクト化によって得られる低エネルギー有効理論を調べ、モジュライ場が超対称性の破れに関与する場合において超対称粒子の質量スペクトルを中心に現象論的な帰結を求めた。従来の最小超重力理論とかなり様相が異なることが分かった。これらは、将来の実験で検証される可能性がある。これに関連し、重いモジュライ場の崩壊を詳細に調べ他。特に、グラビティーノ対への崩壊の分岐比が無視できないほど大きくなることを示し、このことの初期宇宙への影響について議論した。また、グラビティーノの崩壊による元素合成への影響について、現実的な超対称粒子の質量スペクトルを用いたこれまでよりも格段に精密な計算を行った。 余剰次元の模型について、様々な観点から模型に対する実験的な制限を議論した。また、余剰次元を用いてクォーク・レプトンの質量を説明する機構を提唱し、その実験的検証可能性を議論した。 これらの結果は論文として既に公表したか、公表予定である。
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