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2006 年度 実績報告書

極限状態でのクォーク・グルーオン系-超高温・超高密度QCDの国際共同研究

研究課題

研究課題/領域番号 17340080
研究機関広島大学

研究代表者

中村 純  広島大学, 情報メディア教育研究センター, 教授 (30130876)

研究分担者 稲垣 知宏  広島大学, 情報メディア教育研究センター, 助教授 (80301307)
国広 悌二  京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (20153314)
初田 哲男  東京大学, 大学院理学研究科, 教授 (20192700)
保坂 淳  大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (10259872)
キーワードクォーク・グルーオン・プラズマ / QCD / 格子ゲージ理論 / シミュレーション / 輸送係数
研究概要

クォークとグルーオンは物質の基本構成要素であるが、通常の状態では単体で観測されない「閉じ込め」という特異な性質を持っている。しかし、高温・高密度では非閉じ込め相へ相転移を起こすことが格子QCD計算などから予想されており、米国ブルックヘブン国立研究所のRHICで進められている超高エネルギー重イオン反応の結果は、170〜180MeV前後の温度で相転移が起こっていることを強く示唆している。
これまで、非閉じ込め相はクォーク・グルーオンの自由ガスに近いクォーク・グルーオン・プラズマと呼ばれる状態であると考えられてきたが、近年の実験的・理論的研究の結果は、自由ガスの対局にある理想流体に近い状態である可能性を明らかにしつつある。中村等により格子QCDにより始めて計算されたグルーオン系の粘性係数-エントロピー比は、水や液体ヘリウムなどより1桁から2桁小さな値を示し、これまでに知られている全ての物質の中で最も完全流体に近い物質である可能性がある。
また、理研グループ等のKEKの実験で、有限密度中ではベクトル中間子の質量に異常がある可能性が強く示唆された。
このように、実験的には、高温、高密度系の探索が進み、強く相互作用するクォーク・グルーオンのQCD力学を調べる重要性が高まっている。
我々は、QCDの閉じ込めに大きな役割を果たすファデーエフ・ポポフ演算子の振る舞いを有限温度相転移前後で調べ、QEDのクーロンポテンシャルの相当する瞬間ポテンシャルの振る舞いとの関連を調べた。まだ、QCDの基本的自由度であるクォークの有限温度での振る舞いを調べ、閉じ込め相では確かにクォークはポールとして存在せず、有限温度ではポールに移行するが、相転移近傍では非常に大きな質量に相当することを見いだした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Infrared behavior of the Faddeev-Popov operator in Coulomb gauge QCD2007

    • 著者名/発表者名
      Y.Nakagara
    • 雑誌名

      Physical Review D75

      ページ: 014508

  • [雑誌論文] Lattice Study of Gluon Viscosities - A Step Towards RHIC Physics2006

    • 著者名/発表者名
      A.Nakamura
    • 雑誌名

      Acta Physica Polonica B37

      ページ: 3371-3380

  • [雑誌論文] Viscosities of Hot Gluon -- A Lattice QCD Study2006

    • 著者名/発表者名
      A.Nakamura
    • 雑誌名

      Nuclear Physics A774

      ページ: 775

  • [雑誌論文] Quark propagators at finite temperature with the clover action2006

    • 著者名/発表者名
      M.Hamada
    • 雑誌名

      PoS LAT

      ページ: 136

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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