研究課題/領域番号 |
17340081
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
千葉 雅美 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 助教 (60128577)
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研究分担者 |
上條 敏生 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 助教 (70117703)
近重 悠一 成蹊大学, 理工学部, 教授 (50146932)
近 匡 成蹊大学, 理工学部, 教授 (90215442)
内海 倫明 東海大学, 工学部, 准教授 (00256166)
藤井 政俊 島根大学, 医学部, 准教授 (60183927)
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キーワード | 宇宙線 / 宇宙物理 / 岩石・鉱物・鉱床 / 素粒子実験 / 素粒子論 / ニュートリノ / 超高エネルギー / レーダー |
研究概要 |
加速器で生成出来ない宇宙由来の超高エネルギー(E>10 16eV)ニュートリノ(UHEν)はまだ未観測です。GZK)ν(Greisen,Zatzepin,Kuzumin)はUHE宇宙線と宇宙背景輻射との衝突で発生し、両者が観測されていますので、その存在が確実視されています。GZKνは飛来頻度が極めて低いので巨大な質量の検出媒質(50Gt)を必要とします。天然岩塩は電波の吸収が少ない。少数の検出器で巨大検出媒質中のニュートリノ反応を知ることが可能な電波検出法を利用するために検出媒質は電波吸収が少ない巨大天然岩塩鉱を利用します。以下のような研究成果が得られました。1)電波減衰の少ない岩塩試料を精度よく測定する為に、共振器中の岩塩試料の両端から50g重程度以上の圧力を掛けることで再現性よく高精度で電波減衰長測定が可能となった。2)複数の岩塩鉱においてニュートリノ検出器として十分利用可能なほど減衰長が200m以上であることが判明した。3)レーダー法の適用可能性を示す電離状態からの電波の反射を観測しました。小岩塩試料にKEK-AR放射光X線と同時にマイクロ波を照射し、マイクロ波反射が起きることを世界で最初に発見しました。さらにその反射エネルギーは干渉効果によりX線エネルギー損失の2乗に比例することを明らかにしました。4)建設費はアンテナを収納する岩塩中のボアホールの掘削費用が主なものとなります。レーダー法はボアホールの掘削本数を減少あるいは既に掘削済みの岩塩鉱中空間を利用し、床面にアンテナを設置すれば大幅に検出器の建設予算を削減可能となります。4)ファイマングラフの計算機による自動計算プログラムGRACEによる、GZKνと核子との反応断面積の計算を行ったところ、超低xの領域を含めると、ν-グルーオン散乱グラフの寄与は他グラフの2倍以上の反応断面積となることが判明しました。
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