研究課題
未観測の宇宙由来超高エネルギー(E>10^16eV)ニュートリノ(UHEν)として存在が確実視されているGZKνはUHE宇宙線と宇宙背景輻射との衝突で発生します。GZKνは飛来頻度が極めて低いので巨大質量検出媒質(50Gt)を必要とします。天然岩塩鉱は電波減衰長が長いので少数のアンテナで巨大媒質中のν反応を知ることが出来ます。1)0.2GHz及び0.3GHz試料孔封鎖型摂動空洞共振器法に於いて、封鎖蓋から岩塩試料の両端へ50gW以上の力を掛けることで封鎖蓋と試料の接触を改善し、誘電率実部で約6%、虚部で30%の誤差で測定しました。損失正接が周波数に依存しないとすると、複数の岩塩鉱山の試料に於いて10MHzでは7kmの減衰長と推定され、低い周波数10MHzに於けるレーダー法に必要な電波減衰長が得られる可能性が示されました。2)KEK放射光研究施設で導波管中の岩塩へX線照射においてX線強度の2乗で電波反射電力が増加する干渉性マイクロ波反射を発見しました。それに続き岩塩試料全体の温度が高まらないような大きな岩塩試料を自由空間におき原研高崎の1号加速器の電子ビームを照射しました結果、2桁にわたる電子ビーム強度に於いて干渉電波反射が測定されました。3)電波領域干渉性チェレンコフ効果では発生電波電力は周波数に比例して増加する為に、1OMHzという電波減衰長の長い低い周波数を利用することは困難です。一方我々の発見した電波反射法(レーダー法)では人工的に電波を発生させる為に低い周波数を利用可能です。4)ファイマングラフの自動計算プログラムGRACEによる、GZKνと核子との反応断面積の計算を行ったところ、核子構造関数の超低xの領域を含めると、ボソン-グルオン融合グラフの寄与はボソン交換グラフと同程度の反応断面積を与え合計2倍となることが判明しました。
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Nuclear Inst. and Methods in Physics Research, A (To be published)
http://www.jahep.org/technology/salt_neutrino.pdf