研究課題
基盤研究(B)
電子・陽電子線形衝突型超高エネルギー加速器の建設候補地を具体的に検討するために、北上地区、阿武隈地区、北茨城地区、そして福岡・佐賀地区に広がる花崗岩地帯を調査・検討することにした。初年度(平成17年度)は、北上地区にある国立天文台水沢観測所所有の江刺地球潮汐観測施設において地盤常微動を測定し、その結果を以前の測定結果(KEK、SPring-8、佐賀県三瀬道路トンネル)と合わせて、台湾で行われた低エミッタンス蓄積リングにおける地盤常微動および施設に関する研究会、および米国Snowmassにおいて行われた第2回ILC-GDE加速器研究会において発表した。また、阿武隈地区および北上地区を現地踏査した。更に建設関連コンサルタント会社に依頼し、4地区における50km長直線トンネルの構築について検討を依頼し、それぞれ「阿武隈地区現地調査業務報告」、「北茨城地区現地調査業務報告」および「背振・北上地区調査検討業務報告」(L=50km計画)として報告を受けている。その後モデル地区を一ヶ所に絞り、より具体的な検討を依頼し、「トンネル建設検討」、および米国サイト候補地との比較「LCトンネル建設、米国サイトとの比較」という報告を受けている。第2年度(平成18年度)は、日本土木学会の岩盤力学委員会およびトンネル工学委員会合同で、リニア-コライダー土木技術研究小委員会を立ち上げていただき、我々の検討を客観的に評価していただき、年度末に中間報告として提出していただいた。また、LC用テストビームラインATF2の建設予定地の床の変動調査を行い、その結果をIWAA06で発表した。更に、電磁石の振動を1nm以下に抑えるための、カムムーバー方式の粗調整部およびピエゾ素子を使った高速・超精密調製部の組み合わせのフィードバック機構を提案し、試作した。この方式が有望であることを、その性能試験で示すことができ、その結果をIWAA06において発表した。第3年度(平成19年度)は、リニアーコライダー土木技術研究小委員会での検討を更に深めていただいた。また、再度SPring-8を訪れ、より高性能の振動計を使い、地盤常時微動の再測定を行った。このとき、地震による振動が観測され、同一震源に対する種々の地盤の振動という、貴重なデーターを採ることができた。背振および江刺での地盤常時微動の測定結果をまとめるとともに(KEK Report 2007-6として出版)、今までの地盤振動測定のまとめとして、各地での地盤振動の比較をまとめ、その結果を、上記Spring-8での地震時の種々の地盤の揺れの比較と共に、IWAA08にて報告した。
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KEK Report 2007-6
ページ: 60
KEK Preprint (Contributed to the 10th International Workshop on Accelerator Alignment, KEK, Ibaraki, Japan, February 11-15, 2008) 2007-83
ページ: 9
IWAA-2006-FR002 (Contributed to the 9th International Workshop on Accelerator Alignment, SLAC, California, USA, September 25-29, 2006) 2006-42
ページ: 1-10
KEK Preprint ; IWAA-2006-TH003 (Contributed to the 9th International Workshop on Accelerator Alignment, SLAC, California, USA, September 25-29, 2006) 2006-42
ページ: 11
KEK Preprint (Contributed to the Workshop on Ambient Ground Motion and Civil Engineering for Low Electron Storage Ring, NSRRC, Taiwan, July 21-22, 2005) 2005-77
ページ: 1-15
Report from Seiwa Consultant Co., Ltd