研究課題
基盤研究(B)
半導体ナノ構造の大きな特徴は、その中に形成されるスピン状態を含めた電子状態が設計可能な点である。これにより、従来は存在しなかったような条件を電子系に対して設定することが可能となるため、半導体ナノ構造において種々の新たな物性が見いだされる可能性を秘めている。このような外部制御可能な半導体ナノ構造の特徴を活かして、相関を持った電子系としての機能の発現を検出することを目的として、300mKの極低温領域において強磁場中での偏光に依存した空間分解測定を可能とする新たな極低温空間分解円偏光分光測定システムの開発・製作を行い、研究を実施した。その結果、円偏光分光測定に最適化した広い試料空間をもつ到達温度70mKの冷凍機と、近接場光学顕微鏡と一体化した光学系を配置した極低温空間分解円偏光分光測定システムの開発に成功し、二次元電子系ホールバー構造、量子ポイントコンタクト構造、の空間分解分光に関する研究を実施した。強磁場中における空間分解光照射効果の測定により、量子ホール端状態に起因すると考えられる試料端での大きな光応答信号を観測し、その空間分布を得た。極低温領域で観測された複数のランダウ準位に起因する発光ピークエネルギーの子密度依存性から、電子と正孔の有効質量有効質量が電子密度の低下に伴い増大することを見いだした。さらに、中赤外領域においてInAs量子チューブの発光分光測定を行った。その結果、発光ピークの磁束に依存したエネルギー振動を見いだした。この振動は荷電励起子のアハロノフ=ボーム効果であることが示された。本研究の成果は、半導体ナノ構造特有の相関を持った電子系としての機能の発現の進展に大きく寄与すると考えられる。
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