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2006 年度 実績報告書

近接場光による電気双極子禁制遷移の振動子強度増大効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 17340121
研究機関京都大学

研究代表者

蓮尾 昌裕  京都大学, 工学研究科, 助教授 (40218433)

研究分担者 澤田 圭司  信州大学, 工学部, 助教授 (40262688)
中村 浩章  核融合科学研究所, 理論・シミュレーション研究センター, 助教授 (30311210)
岩前 敦  京都大学, 工学研究科, 助手 (90322156)
キーワード近接場光 / 電気四重極子遷移 / 磁気双極子遷移 / 振動子強度 / FDTD法
研究概要

1.減衰全反射スペクトルにおける光学応答が近接場光に与える影響の検出
光学禁制遷移を計測する場合、一般に高密度の原子蒸気等を利用する必要があり、比較のため計測する電気双極子遷移線は大きな光学的厚さを持つことになる。通常、全反射等で生成される近接場光は観測対象による光学応答に影響を受けない、という近似が用いられており、そのような大きな光学応答が近接場光に与える影響について十分な理解がなされていなかった。我々は、高密度のルビジウム蒸気のD線の減衰全反射スペクトルを高精度に計測し、蒸気の光学応答が近接場光に与える影響を考慮することでそのスペクトルを再現できることを見出した。
2.酸素分子の磁気双極子遷移観測
本研究で整備を進めた酸素の磁気双極子遷移観測システムを用いて、窒素パージ中の酸素分子スペクトルの計測を行い、検出感度を評価した。得られたデータの基づき全反射減衰スペクトルを計算した。多重反射を用いた計測の高感度化のため、レーザー光の周波数掃引に追従する光共振器の制御システムを構築した。
3.微小スリットアレイで生成される近接場光による電気双極子禁制遷移の効率増大の評価
作成したFDTD法(Finite Difference Time Domain method)電磁場シミュレーションプログラムを用いて、微小スリットアレイにおける光伝播・近接場光生成のシミュレーションを進めた。さらに、数値計算した電磁場分布から電気四重極子遷移と磁気双極子遷移の効率を求め、効率増強に最適なスリット周期を評価した。電気四重極子遷移に対しては、表面プラズモン励起の効果が見られること、スリットエッジ近傍に局在する電場の寄与が大きいため数値計算の精度が効率の定量的評価に大きな影響を与えること、などが分かった。金薄膜による微小スリットアレイを企業の協力のもと作成し、微小スリットアレイを通した亜酸化銅1s励起子の電気四重極子遷移発光の観測を試みた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Shift and broadening in attenuated total reffection spectra of the hyperfine structure resolved D2 line of dense rubidium yarer2006

    • 著者名/発表者名
      R.Kondo, S.Tojo, T.Fujimoto, M.Hasuo
    • 雑誌名

      Phys. Rev. A 73

      ページ: 62504

  • [雑誌論文] Simulation of optical near field of a sub-wavelength gold slit array and its electric quadrupole interaction with 1s excitons in Cu202006

    • 著者名/発表者名
      M.Okuda, K.Deguchi, A.Iwamae, H.Nakamura, K.Sawada, M.Hasuo
    • 雑誌名

      phys. stat. sol. (c) 3

      ページ: 3547

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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