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2005 年度 実績報告書

彗星表面における衝突クレーター形成過程と彗星の熱史

研究課題

研究課題/領域番号 17340127
研究機関名古屋大学

研究代表者

荒川 政彦  名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (10222738)

研究分担者 山本 哲生  北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (10126196)
キーワード衝突クレーター / 彗星 / 熱進化 / 焼結 / スケール則 / 衝突破片 / 圧縮強度 / 重力
研究概要

本年度は低速度における雪クレーター形成実験を行ない,衝突速度150m/s以下において形成されるクレーターの形態的特徴をスケーリング則の観点から調べた.特に,焼結時間依存性に注目しクレーター形成効率における焼結度依存性について実験を行なった.
焼結時間が15分(一定)である場合,-10℃では速度増加とともにクレーターサイズが大きくなるのが確認できる.速度が遅い場合,弾丸である雪は破壊されずに付着して残存するが,速度増加とともに弾丸は粉々に破壊し,その痕跡のみが氷微粒の環状構造として確認できる.温度が低くなると速度が同じでも,クレーターサイズは極端に大きくなる。これは低温のため雪の焼結が進まず,強度による抑制を受けなかったからだと考えられる.また,弾丸が氷の場合,破壊することなくクレーター中心部分に深く潜り込み,実験後に元のまま回収される.温度が高い場合,今度は焼結が進むのでクレーターサイズは小さくなる.
クレーター体積と弾丸の運動エネルギーの関係は,各温度,弾丸種類毎にべき乗の実験式でフィットでき,そのべき指数は条件に関係なくほぼ0.5と一定である.相関関係は温度が低くなるほど上方に移動し,弾丸が氷と雪の場合では氷の方が,系統的にクレーター体積が大きくなる.今回の実験条件では,-5℃と-18℃で3倍程度のクレーター体積の系統的差が生じた.
雪試料の強度は,焼結時間により大きく変化することが知られている.そこで焼結時間を3分から60時間の間で変化させ,クレーター形成実験を行った.-10℃,衝突速度100m/sでの回収試料を観察すると焼結時間が長くなるほど,クレーターサイズが小さくなることがわかる.クレーター体積と焼結時間の関係を調べると,クレーター体積は時間のべき乗で減少することがわかった.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 高密度雪の圧縮実験1 塑性型変形と破壊型変形2006

    • 著者名/発表者名
      上田雅敏
    • 雑誌名

      雪氷(日本雪氷学会学会誌) 68(印刷中)

  • [雑誌論文] Compression Experiments of High-Density Snow 2 : Load measurements and preliminary comparison to snow sounds-2006

    • 著者名/発表者名
      Mahajan, P.
    • 雑誌名

      雪氷(日本雪氷学会学会誌) 68

      ページ: 131-139

  • [雑誌論文] 宇宙雪氷から見た土星衛星系の成り立ち2005

    • 著者名/発表者名
      荒川政彦
    • 雑誌名

      雪氷(日本雪氷学会学会誌) 67

      ページ: 147-154

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Cratering of icy targets by different impactors : laboratory experiments and implications for cratering in the solar system2005

    • 著者名/発表者名
      Burchell, M.J.
    • 雑誌名

      Icarus 179

      ページ: 274-288

  • [雑誌論文] Fragment velocity distribution in the impact disruption of thin glass plates2005

    • 著者名/発表者名
      Kadono, T.
    • 雑誌名

      Physical Review E 72

      ページ: 045106(R)

  • [雑誌論文] Breakup of liquid by high velocity flow and size distribution of chondrules2005

    • 著者名/発表者名
      Kadono, T.
    • 雑誌名

      Icarus 173

      ページ: 295-299

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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