研究課題
基盤研究(B)
深海乱流計TurboMAP-Dを使用して、北太平洋の53地点における乱流拡散強度の直接観測を行った。その結果、20°N-30°Nでの乱流拡散強度は、局所的に得られる半日周期の内部潮汐波エネルギー密度のオーダーに比例して大きくなり、特に、伊豆-小笠原海嶺では10^<-4>m^2s^<-1>以上にも達することがわかった。これに対して、30°Nより高緯度側、および、20°Nより低緯度側では局所的に得られる半日周期の内部潮汐波エネルギー密度の大きさに関わらず、乱流拡散強度は10^<-5>m^2s^<-1>程度にとどまることが示された。これらの観測事実は、Hibiya et a1.(2006)によってまとめられた乱流ホットスポットのグローバルマップと整合的なものであることが確認できた。次に、この乱流ホットスポットが太平洋の深層海洋大循環に与える影響について、簡略化した海洋大循環モデルを用いて考察した。その結果、乱流ホットスポットにおける湧昇量は、深層水の形成量とバランスするには不十分であり、赤道を北向きに通過する深層水の流量は、係留流速計および船上観測から推定された流量と比較すると明らかに小さくなった。この計算結果は、係留流速計および船上観測に基づく循環流量が過大評価である可能性を示しており、この流量を再現するために鉛直乱流拡散係数をチューニングしている現在の海洋大循環モデルの有効性に対して警鐘を鳴らしたものといえる。なお、雇用を予定していた研究支援者の突然の人事異動により平成18年度内に実施が不可能となった「アリューシャン海域での深海乱流観測とそのデータを組み込んだ数値計算」という本研究計画の重要部分は、平成19年度に経費を繰り越し、研究代表者と研究分担者とが協力することで、無事完了することができた。
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