研究課題
本研究では、集中豪雨など局地的な激しい気象現象を力学的に予測するため、大気状態を観測データを用いて定量的に解析するための研究を行う。また、アンサンブル予報の手法をメソ現象の短時間予測に適用する手法を研究し、数値モデルの予測結果の信頼度を定量的に見積もることを試みる。平成17年度は、以下の項目について研究を行った。(1)非静力学モデルの初期値のための変分法解析手法の研究水平解像度2kmと5km,予報時間間隔6時間と1時間で,予報誤差の統計的性質を調査し、豪雨予測を目的とする高分解能非静力学モデルのための4次元変分法の背景誤差の設定を行った。1999年の練馬豪雨の事例について同化予報実験を行い、観測された深い対流がモデルで再現されることを確認した。(2)リモートセンシングデータ、メソスケール観測データ同化手法の研究ドップラーレーダの高仰角の動径風データ、ウィンドプロファイラーの屈折率データ、国土地理院GPS観測網による可降水量データ、CHAMP衛星屈折率データ、衛星搭載マイクロ波放射計データなどについて、精度検証を行うとともに変分法観測演算子を開発し、降水予報へのインパクトテストを行い、一部のデータについて降水予報の改善を確認できた。(3)メソアンサンブル手法の研究全球週間アンサンブル予報の10km非静力学メソモデルによるダウンスケーリング実験、メソモデルにおける初期値誤差成長の仕方と境界条件の影響調査、4次元変分法アジョイントモデルを用いた特異ベクトルの算出などを行った。(4)アンサンブルカルマンフィルターについての基礎調査衛星搭載マイクロ波放射計データを非静力雲解像モデルへ同化するためのアンサンブルカルマンフィルター法の開発、局所アンサンブル変換カルマンフィルターを用いた全球実観測データ同化実験などを行った。
すべて 2006 2005
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