研究課題/領域番号 |
17340153
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山田 努 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50321972)
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研究分担者 |
井龍 康文 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (00250671)
吉村 和久 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80112291)
相澤 省一 群馬大学, 工学部, 准教授 (20008527)
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キーワード | 環境変動 / シャコガイ / 成長線 / 古日射量 / 古水温 |
研究概要 |
初めに,本補助金で平成18年度に購入した分光器を増設したICP-AESを用いて、Sr/CaおよびMg/Ca比の繰り返し測定誤差が1%RSD以下となるように、イットリウムを内部標準とする分析手法を確立した。その上で、2006年夏に石垣島吉原で採取した、半ば化石化したオオジャコガイ殻のうち1個体について、殻の炭素・酸素同位体比およびSr/Ca・Mg/Sr比に関する研究を行った。この個体は、両殻がそろった現地性の化石であり、殻長が890mmの大型のものであった。片方の殻の最大成長軸に沿って厚さ約5cmの骨格平板を切り出し、最大成長軸を含む面を研磨し、内層の成長線の観察を行った。その結果、この個体は50年以上生息した個体であり、年間成長速度は、約13齢までは>7mmと大きいが、13-36齢で平均約5mm、36齢以降は約3mmと減少していることが判明した。また,粉末X解回折分析の結果から、殻がほぼアラレイシでできており、死後の続成作用の影響を殆ど受けていないことがわかった。さらに、個体の生息年代を求めるために、加速器による放射炭素年代測定用の粉末試料を採取し、年代測定を依頼した。炭素・酸素同位体比はこれまでの研究から予想されたとおり、年輪と対応した周期変化(季節変化)を示した。一方、Sr/Ca・Mg/Sr比は明瞭な季節変化を示さず、その値も生息海水と水温から予想される値よりも著しく小さい値を示した。また、LA-ICP-MSによるシャコガイ殻のSr/Ca・Mg/Sr比等の分析(スポット径80μmで1日から数日の成長分に相当)も行った。この結果からも、シャコガイ殻のSr/Ca・Mg/Sr比は明瞭な季節変化を示さないことがあり、海水との平衡値より著しく低いことが確認された。
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