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2008 年度 実績報告書

原始太陽系を形成した炭素質物質と鉱物の解明を目指して

研究課題

研究課題/領域番号 17340157
研究機関茨城大学

研究代表者

野口 高明  茨城大学, 理学部, 准教授 (40222195)

研究分担者 中村 智樹  九州大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (20260721)
キーワード宇宙塵 / 微隕石 / 南極 / 表層雪 / 惑星間塵 / 彗星 / ヴィルト第2彗星
研究概要

平成20年度は、本科研費の開始年度から行ってきた、南極のドームふじ基地近くの雪に含まれる微隕石(宇宙塵の一種)の回収・同定の最終年度であった。そして、ついに成層圏で回収されてきた、彗星起源とされる無水惑星間塵と全く区別のつかない鉱物学的特徴を持つものをいくつも発見することが出来た。これは世界初の成果である。
無水惑星間塵は、典型的な大きさのものは5-15μmである。一方、今回発見したものは50μm以上もあり、ひとつの微隕石を研究するだけで、Wild2彗星から持ち帰られた彗星塵と無水惑星間塵の最新の研究で見出された相が含まれることを見出した。また、この程度のサイズとなると、惑星間塵の研究で「常識」とされてきた、Porousな表面形態を持つものは無水惑星間塵、Smoothな表面形態を持つものは含水惑星間塵であるとの認識は成立しないことが明ちかとなった。すなわち、惑星間塵のサイズでは分からなかったより大きな階層の立体的構造の特徴があるらしいということである。
さらに驚くべきことには、こうした無水惑星間塵とコンドルールや難揮発性包有物が合体した微隕石が存在することである。Wild第2彗星の持ち帰った試料では、試料捕獲方法の問題から、細粒部分の鉱物学的特徴はよく分かっていなかった。それでも、太陽系初期に大規模な物質移動があったことが示されていた。探査機を彗星に飛ばさなくとも、地上にもたらされた物質を使っても、初期太陽系の大規模物質移動を研究できることが本研究によってはじめて証明された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Chondrule-like objects in short-period comet 81P/Wild 22008

    • 著者名/発表者名
      Nakamura, T., Noguchi, T., Tsuchiyama, A. 他9名
    • 雑誌名

      Science 321

      ページ: 1664-1667

  • [雑誌論文] Evaluation of dehydration mechanism during heating of hydrous asteroids based on mineralogical and chemical analysis of naturally and experimentally heated CM chondrites2008

    • 著者名/発表者名
      Nakato, A., Nakamura, T., Kitajima, F., and Noguchi, T.
    • 雑誌名

      Earth and Planetary Science 60

      ページ: 855-864

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Bulk mineralogy and three-dimensional structures of individual Stardust particles deduced from synchrotron X-ray diffraction and microtomography analysis2008

    • 著者名/発表者名
      Nakamdra, T., Tsuchiyama, A., Akaki, T., Uesugi, K., Nakano, T., Takeuchi, A., Suzuki, Y., and Noguchi, T.
    • 雑誌名

      Meteoritics and Planetary Science 43

      ページ: 247-260

    • 査読あり
  • [学会発表] Discovery of Antarctic micrometeorites containing GEMS and enstatite whiskers2008

    • 著者名/発表者名
      T. Noguchi, N. Ohashi, S. Nishida, T. Nakamura, 他4名
    • 学会等名
      Meteoritical Society
    • 発表場所
      くにびきメッセ、松江
    • 年月日
      2008-07-29
  • [備考]

    • URL

      http://info.ibaraki.ac.jp/scripts/websearch/index.html

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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