研究課題
1.日高変成帯主帯パンケヌーシはんれい岩マイロナイト中の結晶塑性変形した斜長石(An_<50〜60>)に関して、以下の解析と結果を得た。(1)マイロナイト形成時の輝石分解反応によって形成された基質のホルンブレンド、およびマイロナイト形成時の化学組成を保持していると考えられる基質の輝石、それぞれの化学組成に地質温度計を適用したところ、いずれも660〜670℃の温度が得られた。また、近接するざくろ石-黒雲母片麻岩中の変成圧力が約500MPaと推定されることから、マイロナイト形成時の温度圧力条件は660〜670℃、約500MPaであったと考えられる。(廣井担当)(2)動的再結晶した斜長石粒子(平均粒径32μm)の結晶方位を後方散乱電子線回折(EBSD)法により測定したところ、(001)面が面構造にほぼ平行で、<110^^->軸が線構造にほぼ平行な結晶方位配列が発達していた。従って、マイロナイト形成時の斜長石の卓越転位すべり系は(001)<110^^->であったと考えられる。(金川・安東担当)(3)斜長石ポーフィロクラストに隣接する大部分の動的再結晶斜長石粒子は、ポーフィロクラストと結晶方位が大きく異なっており、ボーフィロクラストから亜粒回転によって形成されたものではないことが明らかとなった。また、動的再結晶した斜長石の隣接亜粒子間の結晶方位差が5〜15°の亜粒界の頻度が極めて小さく、動的再結晶機構として亜粒回転が卓越していないことも明らかとなった。従って、斜長石の動的再結晶は亜粒回転によるものではなく、粒界移動によるものと考えられる。(金川・安東担当)2.来年度以後に予定しているガス圧三軸試験機を用いた斜長石(An_<50〜70>)の高温高圧変形実験に備え、最高温度1200℃の内熱炉の設計・製作を行った。(嶋本担当)
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