研究課題
1.日高変成帯西帯角閃岩試料中の動的再結晶斜長石(An_<50〜60>)、およびパキスタンコヒスタン弧角閃岩試料中の動的再結晶斜長石(An_<【approximately equal】50>)に関して、以下の解析と結果を得た。(1)これらの試料基質を構成するホルンブレンドと斜長石の化学組成に地質温度計を適用し、いずれの試料でも約600℃の温度を得た。この温度は角閃岩相の変成度と調和的である。(2)動的再結晶斜長石粒子の結晶方位を後方散乱電子線回折(EBSD)法により測定し、いずれの試料の斜長石にも(110)面および(121)面が面構造にほぼ平行で、<11^^-1>軸が線構造にほぼ平行な結晶方位配列が発達することが明らかとなった。このような結晶方位配列は、角閃岩相の変成度で動的再結晶した斜長石に特徴的なものと考えられる。2.ノルウェー産アダメライト試料中の動的再結晶斜長石(An_<【approximately equal】40>)の結晶方位をEBSD法により測定し、(010)面が面構造にほぼ平行で、[001]軸が線構造にほぼ平行な結晶方位配列が発達することが明らかとなった。鉱物組合せはグラニュライト相の変成度を示しているが、現在変形温度圧力を解析中である。3.昨年度解析した日高変成帯主帯はんれい岩試料はグラニュライト相と角閃岩相の境界条件(660〜700℃)で変形しており、動的再結晶斜長石には(001)面が面構造にほぼ平行で、<11^^-0>軸が線構造にほぼ平行な結晶方位配列が発達することが明らかとなっている。従って、動的再結晶斜長石に発達する結晶方位配列が変成度(温度)により変化することが明らかとなった。4.イタリアイヴレア帯で、グラニュライト相で変形した変はんれい岩試料、および角閃岩相で変形した角閃岩試料を採取した。現在、試料を解析中である。5.昨年度設計・製作した、京都大学のガス圧三軸試験機用の温度制御装置が完成し、試験機に組み込まれた。来年度に内熱炉が完成し、斜長石の高温高圧変形実験が可能となる。
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