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2006 年度 実績報告書

有機分子-粘土鉱物分子間相互作用

研究課題

研究課題/領域番号 17340161
研究機関東京工業大学

研究代表者

河村 雄行  東京工業大学, 大学院理工学研究科, 教授 (00126038)

キーワード有機粘土 / モンモリロナイト / 分子シミュレーション / 分子動力学法 / 分子内結合相互作用 / 2面角ポテンシャル / X線回折法 / 赤外吸収分光法
研究概要

粘土鉱物における有機-無機複合・吸着系のナノ構造と物性、および動的性質の理解のために、有機粘土についてX線回折と赤外吸収分光法測定を行い、また汎用有機-無機分子シミュレーション計算手法の開発を行った。ν
長鎖アルキル基を持つトリメチルアルキルアンモニウムイオンを種々の組成で吸着させた有機モンモリロナイトのX線回折測定から、吸着量に対する底面間隔とピーク半値幅の変化の詳細が得られ、またフーリエ変換赤外吸収ペクトルにおけるνsCH2およびνasCH2のバンドシフトから、有機アンモニウムイオンの、粘土鉱物層間における秩序-不秩序にかかわる分子配置構造を解析した。すなわち、吸着量の増加とともに、層間に横たわった1分子層から、徐々に層間が広がって横たわった2分子層になり、さらに3分子層に至り、大きなジャンプを伴って、層間に斜めに立った状態の2分子層となって、その層間距離のまま吸着量が増えるという挙動が解明された。
これらの実験結果をより詳細に解析し、種々の有機-無機複合系の構造物性を予測するために、分子シミュレーション手法の開発を行った。これまでの無機化合物のための分子動力学法計算コード、MXDORTO/MXDTRICL(河村)に有機分子の計算のための新たな機能を付加した。すなわち、これまでの2体中心力項および3体力項に加え、2面角ポテンシャルによる4体力項を計算できるようにした。相互作用パラメータの決定を行い、ベンゼン、ナフタレン、およびアントラセンの各平面分子が安定に保たれ、分子内振動スペクトルが再現できることが確かめられた。さらにアルカン鎖の構造に対応できるようにすることにより広範囲の有機分子に適用可能となる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 分子シミュレーション-現状と将来2007

    • 著者名/発表者名
      河村 雄行
    • 雑誌名

      応用物理 73・3

      ページ: 297-304

  • [雑誌論文] ガラスと融体の分子動力学計算-その後2007

    • 著者名/発表者名
      河村 雄行
    • 雑誌名

      New Glass 22

      ページ: 3-12

  • [雑誌論文] Adsorption sites of Cs on smectite by EXAFS analyses and molecular dynamics simulation2006

    • 著者名/発表者名
      M.Nakano, K.Kawamura
    • 雑誌名

      Clay Science 12

      ページ: 76-81

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] ナノ・ミクロ・マクロを結ぶシミュレーション : 分子動力学法と均質化解析2006

    • 著者名/発表者名
      市川 康明, 河村 雄行
    • 雑誌名

      アンサンブル 8・4

      ページ: 26-34

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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