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2005 年度 実績報告書

金属-分子気相錯体イオンにおける特異な光誘起解離反応の動力学の解明とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 17350003
研究機関東北大学

研究代表者

美齊津 文典  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20219611)

キーワードクラスター / 化学反応動力学 / 光解離反応 / イオン / 質量分析 / 放出角度分布 / 反跳エネルギー分布 / 異方性パラメータ
研究概要

本年度前半は、当初の予定に基づいて米国Colorado大学のW.Carl Lineberger教授の研究室に滞在して原子分子クラスター負イオンの光電子画像分光法に関する共同研究を行った。画像分光法は全立体角に放出された粒子を検出器に投影した像を観測する手法であり、本研究計画における光解離放出角度分布の観測に最適な手法である。今後、この共同研究で習得した技術や知見を具体的に生かすために、新たな観測装置の開発を目指して構想を練っていく予定である。
本年度後半ではマグネシウム-価イオンと四種類のハロゲン化メチル(フッ化メチル、塩化メチル、臭化メチル、ヨウ化メチル)との組み合わせで生成する気相錯体に対して、紫外光誘起解離イオンの飛行時間分布の観測を行い、その結果の解析を行った。観測されたイオンの飛行時間分布には(1)解離イオンの反跳エネルギー分布、および(2)解離イオンの放出角度分布の二つの情報が含まれている。前年度に提唱した我々の光励起解離過程に基づいて、観測された飛行時間分布からこれら二つの情報を分離して得ることを試みた。その結果、いくつかの解離イオンについて極めて非統計的な反跳エネルギー分布を取ることが明らかとなり、我々の予想したとおり錯体イオンの回転周期に比べて極めて速い過程で解離が進行していることがわかった。さらに具体的に錯体イオンの回転周期を見積ることにより、放出角度分布の情報が回転運動によってどの程度解消されているのかについても解析を行った。その結果、観測された異方性パラメータ(放出角度分布の偏りを表すパラメータ)をうまく支持する見積りが得られた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Adsorption Reaction of Polar Organic Molecules on Si_n^+ Cluster Ions2005

    • 著者名/発表者名
      W.Nakagawara et al.
    • 雑誌名

      International Journal of Modern Physics B 19

      ページ: 2502-2507

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Electron Distribution and Intracluster Reaction in Na_n(CS_2)_2^-Negative Ion Clusters2005

    • 著者名/発表者名
      H.Tsunoyama et al.
    • 雑誌名

      European Physical Journal D 34

      ページ: 89-92

  • [雑誌論文] Size-Dependent Structures of Na_nI_<n-1>^+ Cluster Ions with a Methanol Adsorbate : A Combined Study by Photodissociation Spectroscopy and Density Functional Theory Calculation2005

    • 著者名/発表者名
      F.Misaizu et al.
    • 雑誌名

      The Journal of Chemical Physics 123

      ページ: 161101(4pages)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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