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2007 年度 実績報告書

量子凝縮相中の分子の量子状態と化学反応性:低温化学反応の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 17350008
研究機関独立行政法人情報通信研究機構

研究代表者

百瀬 孝昌  独立行政法人情報通信研究機構, 第三研究部門電磁波計測研究センター・環境情報センシング・ネットワークグループ, 客員研究員 (10200354)

キーワード低温化学反応 / 超流動 / ヘリウム液滴 / 分子クラスター / 赤外分光 / 高分解能分光 / 光コム / 量子凝縮相
研究概要

100K以下の低温における化学反応には、未だに解明されていない効果があることが、ごく最近指摘されている。本研究では、量子凝縮相中に捕捉した分子のエネルギー状態および化学反応性を明らかにすることによって、10K以下の極低温における化学反応の本質を実験的に解明することを目指すとともに、量子凝縮相の特質を生かした低温化学反応の新しい展開を行うことを目指している。量子固体あるいは超流動液体などの量子凝縮相はほぼ「自由」な分子を1K程度の温度に冷却することができ、かつその反応性を容易に調べることができる唯一の場である。本研究では、この量子凝縮相の利点を最大限に活用することで、低温化学反応に関する新しい研究を展開することを目指した。本年度は昨年度開発した超流動ヘリウム液滴に異分子のクラスターを捕捉する技術を用いて、大気科学で重要となる水-酸素、水-窒素錯体の赤外強度に関する詳細な実験的データーを得た。また量子凝縮相中では、極低温の分子の関与する2分子化学反応を赤外分光法を用いて追跡することにより、化学反応における核スピン選択を定量的に証明することができた。また低温における分子内核スピン緩和ダイナミクスを調べ、緩和が分子内スピン-スピン、スピン-回転、および核四重極相互作用で起きることを明らかにするとともに、2K以下の極低温では1格子過程、2-6Kでは2格子過程がエネルギー緩和に対して支配的であることを定量的に明らかにすることができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Nuclear Spin Conversion of Methane in Solid Parahydrogen.2008

    • 著者名/発表者名
      Yuki Miyamotoi
    • 雑誌名

      THE JOURNAL OF CHEMICAL PHYSICS 128

      ページ: 114502-1-114502-10

    • 査読あり
  • [雑誌論文] "Laser Induced Fluorescence of Mg-Phthalocyanine in He Droplets:Evidence for Fluxionality of Large H2 Clusters at 0.38K"2008

    • 著者名/発表者名
      Susumu Kuma
    • 雑誌名

      THE JOURNAL OF CHEMICAL PHYSICS 127

      ページ: 214301-1-214301-7

    • 査読あり
  • [雑誌論文] In Situ Photolysis of CD_3I in Solid Orthodeuterium2007

    • 著者名/発表者名
      Mizuho Fushitani
    • 雑誌名

      THE JOURNAL OF PHYSICAL CHEMISTRY 111

      ページ: 12629-12634

    • 査読あり

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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