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2005 年度 実績報告書

時間分解紫外共鳴ラマン分光法による光センサータンパク質の構造ダイナミクスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 17350009
研究機関神戸大学

研究代表者

水谷 泰久  神戸大学, 分子フォトサイエンス研究センター, 助教授 (60270469)

キーワード共鳴ラマン分光法 / 時間分解分光法 / ミオグロビン / イエロープロテイン
研究概要

1.時間分解紫外共鳴ラマン分光システムの製作
ピコ秒〜ミリ秒をカバーする時間分解紫外共鳴ラマン分光システムの製作を行った。具体的には、(1)ピコ秒紫外プローブ光発生のための波長変換システムの製作、(2)ピコ秒可視ポンプ光発生のための波長変換システムの製作、(3)ナノ秒パルスレーザーとの同期、の3点である。(1)については、メタンおよび水素の誘導ラマン散乱を利用して、204-244nmの範囲で、連続的に波長可変な紫外パルス光源を製作した。(2)については、誘導ラマン散乱、光パラメトリック効果を利用して、可視領域に波長可変な高効率の変換システムを製作した。(3)については、高繰返しのナノ秒パルスレーザーと同期をとり、一連の時間分解共鳴ラマン測定を自動的に行うシステムを製作した。
2.ミオグロビンのリガンド脱離に伴う構造変化
得られたピコ秒時間分解紫外共鳴ラマンスペクトルでは、リガンドの光解離後、5psの段階ですでにチロシンおよびトリプトファン残基のラマンバンドに明瞭な強度減少が観測された。チロシン残基のバンドは100psの時間領域で、またトリプトファン残基のバンドは1nsの時間領域でそれぞれ強度の回復を示した。これらのバンドに強度変化がおこる原因は、リガンド脱離後の過渡状態において、トリプトファンやチロシン残基周囲の局所的なタンパク質環境変化を反映していると考えられる。さらに、人工変異体を用いて、スペクトル変化を示す残基の同定を行った。
3.イエロープロテインの構造ダイナミクスと機能発現機構の解明
イエロープロテインについて、ピコ秒時間分解紫外共鳴ラマンスペクトルの測定を試みた。しかし、パルス光による試料の損傷が起き、過渡種のスペクトルを得るには至っていない。現在、損傷を防ぐために、試料セルの工夫を行っている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Picosecond Structural Dynamics of Myoglobin following Photodissociation of Carbon Monoxide As Revealed by Ultraviolet Time-Resolved Resonance Raman Spectroscopy2005

    • 著者名/発表者名
      Akira Satoら
    • 雑誌名

      Biochemistry 44

      ページ: 14709-14714

  • [雑誌論文] Structural Characterization of the Proximal and Distal Histidine Environment of Cytoglobin and Neuroglobin2005

    • 著者名/発表者名
      Hitomi Sawaiら
    • 雑誌名

      Biochemistry 44

      ページ: 13257-13265

  • [雑誌論文] Quaternary Structures of Intermediately Ligated Human Hemoglobin A and Influences from Strong Allosteric Effectors : Resonance Raman Investigation2005

    • 著者名/発表者名
      Shigenori Nagatomoら
    • 雑誌名

      Biophys.J. 89

      ページ: 1203-1213

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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