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2007 年度 実績報告書

ハイドレート・過冷却水・ガラス中の溶存状態とダイナミクスに関する光化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17350010
研究機関(財)豊田理化学研究所

研究代表者

岡田 正  豊田理化学研究所, フェロー (40029442)

研究分担者 広瀬 美治  財団法人豊田理学研究所, 分析計測部, 部長 (60394392)
稲垣 伸二  財団法人豊田理学研究所, 先端研究センター, マネジャー (30374086)
キーワードベンゼンハイドレート / メソ細孔中の水溶液 / エネルギー移動 / 有機-無機ハイブリッドメソ多孔体 / 発光性構造欠陥
研究概要

ハイドレートケージ内のベンゼンおよびメソ細孔中のベンゼンと水および細孔壁との相互作用を分光学的手法によって測定し,溶存状態の特徴,励起状態におけるダイナミクスを光化学的立場から明らかにすることを目的として研究した.1、ベンゼンおよび重ベンゼンのハイドレート:最も基本的な芳香族分子であるベンゼンのハイドレートに関する実験データは非常に少ない.キセノンをヘルプガスとするハイドレートケージ内のベンゼンのラマンスペクトル,蛍光スペクトル,蛍光寿命を測定した.4相共存曲線と共に実験の論文およびラマンスペクトルの理論的解析の論文としてまとめている.2、メソ細孔中の水の構造:OH伸縮振動のラマンスペクトルの測定によりメソ細孔中の水の構造を調べた.細孔壁に存在するシラノール基(Si-OH)のOH伸縮振動と水分子のOH伸縮振動の分離ができずまとめられなかった.3、メソ細孔中のベンゼン水溶液:ベンゼンの励起状態ダイナミクスはベンゼンS1状態から細孔壁中の構造欠陥への励起移動が主たる失活過程であることを示した.4、メソ細孔中のベンゼン液体:ベンゼンと細孔壁との局所的な分子間相互作用がバルクの性質を支配していると考えられる結果を得た.細孔径4.3nmではベンゼンは80Kでも凝固せず,7.8nmの場合1次転移を示す明確な発熱ピークが観測されない。この結果はメソ孔内のベンゼン液体構造は細孔壁からの距離に依存して徐々に変化することを示している.5、有機一無機ハイブリッドメソ多孔体:基本的な系であるフェニレンシリカメソ多孔体の壁面の励起状態ダイナミクスを明らかにした.励起状態ダイナミクスを壁面構造と関連付けてその温度依存性を説明してまとめた.6、メソ多孔体中の発光性構造欠陥を調べて石英中の構造欠陥の研究を参考に整理した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Fluorescence studies on benzene and benzene aqueous solution in mesoporous silica2008

    • 著者名/発表者名
      T. Okada
    • 雑誌名

      Polish J.Chem 82

      ページ: 729-739

    • 査読あり
  • [学会発表] フェニレンシリカメソ多孔体の励起状態ダイナミクス2007

    • 著者名/発表者名
      岡田 正
    • 学会等名
      光化学討論会
    • 発表場所
      信州大学,松本
    • 年月日
      2007-09-27
  • [学会発表] メソ多孔体骨格芳香族架橋基の励起状態ダイナミクス2007

    • 著者名/発表者名
      山中 健一
    • 学会等名
      分子科学討論会
    • 発表場所
      東北大学,仙台
    • 年月日
      2007-09-19
  • [学会発表] Benzene and benzene aqueous solution in capillary and mesoporous materials2007

    • 著者名/発表者名
      T. Okada
    • 学会等名
      Int.Conf.Photochemistry 2007
    • 発表場所
      Koln,Germany
    • 年月日
      2007-08-01

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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