研究概要 |
本年度は、Zn、Cd、Ag,Sn,Pb,Cu,Y、Laなどの金属とCO,NH3,NO,CO2などの小分子との反応に焦点を絞ってレーザーアブレーションマトリックス単離赤外分光法を用いて研究を行い、反応(中間)生成物の構造、結合性質と反応性及び反応エネルギーと反応機構を解明し、また、異なる波長の光照射下での光反応(中間)生成物の構造と反応性を明らかにした。ZnやCdとCOとの反応では、固体ネオンマトリックス中では、一連の新規化合物Zn(CO)x(x=1-3),CdCO-,Cd(CO)2が形成されることを見出した。ZnやCdとNH3との反応によって、一連の新規化合物が生成し、構造を明らかにし、反応機構を明らかにした。AgとCOとの反応では、固体希ガスマトリックス中で、一連の新規銀クラスター化合物(AgCO)2、AgnCO(n=2-4)が形成されることを見出し、構造を明らかにし、生成機構を明らかにした。 Sn,PbとNOとの反応では、固体希ガスマトリックス中で、一連の新規化合物M(NO)n(M=Sn,Pb;n=1,2),PbNO-が形成されることを見出し、構造を明らかにし、生成機構を明らかにした。さらに、CuとCO/NO混合小分子との反応について研究を行い、COまたはNO単成分小分子との反応との反応性、生成物の違いを明らかにし、その反応機構についての情報を得た。Y及びLaとCOとの反応では、一連の化合物M(CO)x,MCO+(M=La,Y;x=1-4)が形成されることを見出し、構造を明らかにし、生成機構を明らかにした。さらに、LaとCO2との反応について研究を行い、一連の新規化合物が形成されることを見出し、構造を明らかにし、光照射による変化を明らかにした。これらの結果は、金属または金属クラスター上におけるCO,CO2などの小分子の活性化機構に新しい重要な知見を与えるものである。
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