研究概要 |
レーザーアブレーションマトリックス単離赤外分光法と理論化学計算手法を組み合わせることにより、周期表の広範囲にわたる金属とCO,C_2H_2,N_2O等の各種小分子との反応について研究を行い、反応(中間)生成物の構造、結合性質と反応性及び反応エネルギーと反応機構を解明した。 特に、ランタン原子とアセチレンC_2H_2分子との反応について詳細に調べ、新規に反応生成物La(C_2H_2),LaCCH_2,HLaCCHやLa_2(C_2H_2)を見出し、同位体置換や理論計算により、同定を行い、構造や電子構造を明らかにした。初めてf電子金属の水素化物である水素化ジスプロシウムとCOとの反応について研究を行い、新規金属ヒドリドカルボエル化合物HDyCOの形成を見出し、水素と一酸化炭素を反応物とする多くの触媒反応の反応中間体や反応機構について重要な情報を与えるものである。また、ロジウムやルテニウムとN_2O分子との反応について詳細に調べ、新規にM(NNO)_x(M=Rh,Ru;x=1,2)などの反応生成物の生成を見出し、同位体置換や理論計算により、同定を行い、構造や電子構造を明らかにした。さらに、これらの金属におけるN-O結合解離機構について情報を得ることができ、N_2O分子の触媒的分解反応の機構解明及び新規触媒探索に重要な知見を獲得した。
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