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2005 年度 実績報告書

高原子価ビスマスの酸化力を利用した高効率酸化反応および重合反応の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17350018
研究機関京都大学

研究代表者

俣野 善博  京都大学, 工学研究科, 助教授 (40231592)

キーワードビスマス / 酸化剤 / ビスムトニウム塩 / アルコール / カルボニル化合物 / 置換基効果 / 立体効果 / 水素引き抜き
研究概要

本申請課題では、ビスマスの特徴が最大限に発揮された効率的な単位反応の開発をめざして、「高原子価有機ビスマス化合物を用いた高効率酸化反応および重合反応の開発」をめざして研究を進めている。本年度においては、当初目的として掲げた課題のうち、特に『高原子価有機ビスマス化合物の酸化能に及ぼす置換基効果の総括およびビスムトニウム塩型酸化剤の開発』に重点をおき、さまざまな角度から検討を進めた。まず、Ar_3BiX_2型酸化剤と塩基との組み合わせによるアルコールの酸化反応について、基質選択性に関するアリール基の置換基効果を検討し、一級アルコールと二級アルコールの選択的な酸化にアリール基の立体効果が影響を及ぼすことを明らかにした。また、本酸化剤の適用範囲を知る目的で複素環を含むアルコールの酸化反応を検討した。次いで、これまで詳細な検討が行われていなかったビスムトニウム塩によるアルコールの酸化について検討した。ビスムトニウム塩は銅触媒が存在するとアルコールの求電子的アリール化剤として振る舞うことは既に知られていたが、適当な塩基を共存させることで、さまざまなアルコールを極めて効率よくカルボニル化合物へ変換する酸化剤となることを見いだした。本系においてもアリール基のオルト置換基による立体効果は顕著であり、室温・短時間で酸化反応が完結する。興味深い点は、アリール基が水素引き抜きをするという点であり、分子内および分子間の競争実験により、水素引き抜き過程においては電子効果よりも立体効果が強く影響することが明らかとなった。また、副生成物であるトリアリールビスマスは反応混合物から容易に分離・回収できるため、反応操作の面においてもビスムトニウム塩は実用的酸化剤となりうることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Antimony and Bismuth

    • 著者名/発表者名
      Yoshihiro Matano
    • 雑誌名

      Comprehensive Organometallic Chemistry (印刷中)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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