研究課題
基盤研究(B)
フェノキシドを基盤としてカルベンやアニソール、アリールチオラートなどを組み合わせた混合型多座配位子を開発し、新規な4族チタン、ジルコニウム錯体を合成して分子構造を解明した。配位子の立体的効果、電子的効果、キレート効果について詳細に検討し、反応活性な金属錯体を設計・合成する上での重要な知見を得た。合成した前周期遷移金属錯体を用いて、水素分子、窒素分子、一酸化炭素、二酸化炭素などの小分子を活性化することに成功した。具体的な研究実績としては、アニソール-フェノキシド混合型三座配位子を有するジルコニウム錯体を合成し、水素と一酸化炭素を穏和な条件(常温・常圧)で活性化して、有機物として選択的にアレンに変換するフィッシャー・トロプシュ型反応を見いだした。一酸化炭素の酸素原子由来である架橋オキソ配位子をケイ素試薬によってシロキサンとして脱離させ、均一系反応による合成サイクルを構築した。また、ジルコニウムアルキル錯体とトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランから調製したカチオン性ジルコニウム錯体が、触媒として機能する系を発見し、二酸化炭素とヒドロシランからメタンとシロキサンに変換する新しい均一系触媒反応を開発した。この反応は常温・常圧の穏和な条件で定量的に進行する。ルイス酸性が高くイオン半径の大きな金属反応場を構築し、酸素と親和性の高いケイ素の性質を活かして、二酸化炭素の酸素原子をシリコーンなどの有機ケイ素材料に導入した。さらに、直鎖型および分岐型三座フェノキシド配位子を補助配位子とする5族ニオブ錯体を用いて、窒素分子を六電子還元し、窒素-窒素三重結合を切断した。分岐型三座フェノキシド配位子を有するニオブヒドリド錯体を合成・単離し、水素分子の還元的脱離を伴いながら、窒素分子が還元されて三重結合を切断する新しい反応を見いだした。生成したニトリド錯体の構造と反応性について明らかにした。
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