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2005 年度 実績報告書

アクチノイド系低次元層状化合物の物性研究

研究課題

研究課題/領域番号 17350032
研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

中村 彰夫  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究主幹 (80370443)

研究分担者 塩川 佳伸  東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50111307)
本間 佳哉  東北大学, 金属材料研究所, 助手 (00260448)
山本 悦嗣  独立行政法人, 日本原子力研究開発機構・先端基礎研究センター, 研究副主幹 (50343934)
中田 正美  独立行政法人, 日本原子力研究開発機構・原子力基礎工学研究部門, 研究副主幹 (60370441)
酒井 宏典  独立行政法人, 日本原子力研究開発機構・先端基礎研究センター, 研究職 (80370401)
キーワード層状化合物 / ウラン / 窒化ハロゲン化物 / 強磁性
研究概要

Li(Na)の挿入により最高臨界温度(Tc)26Kの超伝導の実現される遷移金属窒化ハロゲン化物MNX(M=Ti,Zr,Hf)(X=Cl,Br,I)研究のアクチノイド(An)系への展開を目指して、類似の特異な層状構造を有するTh、U、Np(更に可能ならばPu)等の一連のAn系窒化ハロゲン化物AnNX(An=Th,U,Np(Pu))及びその関連系に関する研究を開始した。ここでは、このような低次元An(5f電子)系の発現する新規な電子状態、電子物性の探索と、これを通した強相関5f電子系物性研究の新局面の開拓を目指している。
本研究でまず第一に解決すべき大きな実験的課題は、An系特有の放射能の問題に加え、一般にこれらの系(特にそのLi(Na)挿入系)が空気中で不安定なことである。そこで、研究開始初年度の本年度は、一般にホット施設内であれば非密封で取り扱えるTh,U系、より高放射性で本式のグローブボックス(GB)を必要とするNp(Pu)系、そのいずれも、酸素、水分フリーの高純度の不活性ガス(アルゴン)雰囲気下で試料調製、Li挿入、物性評価などの一連の実験を遂行し得るArガス循環生成装置を備えたGBシステムの構築を量優先にに進めた。物品納入の遅れなどもあり、特に後者では本年度末までの完成は難しいが、可及的速やかな完成を目指し現在鋭意これに取り組んでいる。
同時に、U及びTh系の化合物合成を、簡易GBシステムの試運転を兼ねて開始した。この結果、U系についてはUNX(X=Cl,Br,I)三系の合成に成功し、密封試料での磁化測定により各々キューリー温度Tc=32,37,26Kの強磁性体であることを見出した。また、Li挿入についても幾つか予備実験を行ない、これが実際に可能であり系の磁気特性を変化させることを確認した。また実際取り扱い始めてみて、これらAnNX系が予想以上に空気中で不安定であることも分かってきた。そこで、より安定なカルコゲン化物等の類似層状化合物も、並行して研究を始めた。今後、系統的な物質合成→Li挿入による金属化→新規な磁性や超伝導の探索、そしてその構造-物性の相関の解明へと繋げて行きたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Uranium nitride chloride UNCl : 30K-class ferromagnet with layered structure2005

    • 著者名/発表者名
      Akio Nakamura
    • 雑誌名

      Physica B 359-361

      ページ: 1021-1023

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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