研究課題
一体型の構造により大きな(スルーポア径/シリカ骨格径)をもつことができるモノリス型シリカカラムは、粒子充填型カラムより低圧力で、時間・圧力あたり2-5倍高い性能を発現できる。同時に、モノマー溶液を出発物質として共連続のネットワーク構造を一段階で調製することができるので、非常に長い数メートルのカラムの調製により、超高理論段数の発現も可能である。しかし、これまでに調製したモノリス型シリカカラムはネットワーク構造の不均一性のために、骨格サイズから期待される性能を発現できなかった。本研究においては、従来より高いシラン濃度と低い温度のもとで調製することによりドメインサイズの縮小と、均一性のある構造の調製を試みた。新しい条件によるモノリス型シリカ調製とODS型固定相の化学修飾により調製されたモノリス型シリカカラムは、次の長所を有することが示された。1.従来のモノリス型シリカカラムと比較して1.4-1.6倍の固定相の量の増大と、約1.5倍の理論段数の増加をもたらす高性能化が同時に可能となる。2. 5ミクロン粒子相当の圧力により送液可能で、2-2.5ミクロン粒子相当のカラム理論段数の発現が可能となる。これにより、現在市販されている最高性能の超高圧HPLC(UPLC)に近い性能を、通常のHPLC装置により発現させることを可能とした。また、モノリス型シリカカラムを第二次元カラムとして使用し、60-360のピークキャシティをもたらす第一次元グラジエント溶出と組み合わせることにより、ピークのout-of-phaseモジュレーションなど、二次元HPLCの実際的条件を考慮に入れても1時間に約3000のピークキャシティを発現させることが可能であることを示した。これにより、数時間で1万を超えるピークキャシティの発現、数千の溶質の分離が実用的に達成可能となるものと期待される
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