研究課題
基盤研究(B)
ゾル-ゲル反応により調製するモノリス型シリカカラムのネットワーク構造の制御、とくに均一性の増加とドメインサイズの制御を行い、(1)高速分離において、現在の超高圧LC(UPLC)に近い高速性能を、通常のHPLC装置により発現させること、ならびに(2)高理論段数分離において、40-50MPa程度の圧力下で理論段数100万段を発現させることに成功した。均一性の増加においては、従来より高いシラン濃度と低い温度のもとでモノリス構造を調製することによりドメインサイズの縮小と均一性のある構造の調製を行い、5μm粒子相当の圧力で、2μm粒子相当の分離能力を発現する、第二世代のモノリス型シリカの調製が可能となった。また、高い透過率を与えるドメインサイズ3.5-4μmのモノリス型シリカを4-5m長のキャピラリー内で調製することにより、30-50万段の理論段数を発現し、このキャピラリーカラムを連結することにより、保持のある溶質について100万理論段の発現を可能として、HPLCにおける超高性能分離の実用化の可能性を示した。第二世代のモノリス型シリカに、アンカーとなるメタクリルアミド基を結合した後、官能基をもつモノマーをカラム内シリカ上のアンカー基と共重合することにより、親水性相互作用液体クロマトグラフィー(HILIC)型、およびイオン交換型固定相を調製し、クロマトグラフィー特性を評価した。このようなモノリス型シリカカラムの分離能力は、現存する粒子充填型カラムの限界を超えるものである。今後、一層の高速化、高性能化と、これらのカラム、固定相の実用化が望まれる。
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