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2006 年度 実績報告書

眼球中の高分子の構造・物性の解明と人工結合組織様エキゾチック分子の分子設計と創製

研究課題

研究課題/領域番号 17350060
研究機関九州大学

研究代表者

安中 雅彦  九州大学, 大学院理学研究院, 教授 (40282446)

キーワード結合組織 / 眼球 / 硝子体 / 人工硝子体 / 両親媒性高分子 / 自己集合 / 光散乱
研究概要

眼球を構成する組織の中で、硝子体のゲル構造は未だ確定しておらず、様々なモデルが提唱されている。その中で、E.A.Balazsにより提案された「フリクショナル相互作用モデル」が一般的に支持されており、このモデルでは、硝子体のゲル構造はコラーゲンの骨格のみによるとするモデルであり、ヒアルロナンはその粘弾性と保水機能によりコラーゲンの骨格の安定化に寄与しているとしている。しかしながら生化学的な検討に基づくモデルであり、その微視的構造、さらに硝子体高分子問の相互作用についてはまったく未解決である。これは単に高分子科学の進歩からだけではなく、疾患の治療・予防のためにも早急な解決が必要不可欠である。そこで本申請課題では、まず(1)眼球組織、特に豚硝子体を用いて「結合組織」としての硝子体の構造・物性の解明、構造モデルの確立を行った。その結果に基づき、(2)人工硝子体分子の分子設計、(3)人工硝子体分子の創製その構造・物性解析、(5)人工硝子体のin vivo検討を実施した。
人工硝子体の開発には、その骨格となっている硝子体ゲルの構造・物性を十分に理解し、それに基づき分子設計する必要がある。本検討課題では、まず人間と同様の構造・機能を有すると考えられる、子牛ならびに豚の摘出硝子体の構造、物性を主に動的光散乱、力学特性の側面から検討を行った。その結果に基づき、硝子体置換材料すなわち人工硝子体は可能な限り硝子体に類似の物性を有し、しかも半永久的に不活性で透明性を有し、安定した構造でかつ機能をもった、眼内で吸収されず眼内タンポナーゼ効果(構造を維持し、網膜を然るべき位置に押さえる効果)を示す材料の開発に成功した。すなわち(1)眼内で強くゲル化しタンポナーデ効果を高めるだけでなく、(2)薬剤の徐放効果、(3)収縮を引き起こす細胞成分の増殖抑制、さらには(4)屈折率を元来の硝子体よりも高め眼球光学系の屈折状態を合目的に変えることができる材料の創成に成功した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 その他

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Poly(2-methacryloyloxyethyl phosphorylcholine) in Aqueous Solutions with Various Ionic Strength2006

    • 著者名/発表者名
      Y.Matsuda et al.
    • 雑誌名

      Chemistry Letters 35

      ページ: 1310-1311

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Anisotropic Frequency Response of Critical Density Fluctuation of NIPA Gel under Oscillation Shear2006

    • 著者名/発表者名
      M.Sugiyama et al.
    • 雑誌名

      Physica B 385-386

      ページ: 804-806

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Asymmetric Swelling and Self-Assembly of Poly(N-isopropylacrylamide-block-Poly(ethylene glycol) in Water2006

    • 著者名/発表者名
      R.Motokawa et al.
    • 雑誌名

      Physica B 385-386

      ページ: 745-748

  • [雑誌論文] Time-resolved Small-angle Neutron Scattering Study on Soap-Free Emulsion Polymerization2006

    • 著者名/発表者名
      R.Motokawa et al.
    • 雑誌名

      Physica B 385-386

      ページ: 780-782

  • [雑誌論文] Dymaic Light Scattering Study of Salt Effect on Phase Behavior of Pig Vitreous Body and Its Microscopic Inprication

    • 著者名/発表者名
      M.Annaka et al.
    • 雑誌名

      Journal of Physical Chemistry (in press)

  • [雑誌論文] Study on the Self-Assembly of Hydrophobically Modified Poly (ethyleneglycol) in water

    • 著者名/発表者名
      M.Annaka et al.
    • 雑誌名

      Macromolecules (in press)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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