研究課題/領域番号 |
17350066
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
菅原 正 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50124219)
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研究分担者 |
豊田 太郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 研究拠点形成特任研究員 (80422377)
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キーワード | ジャイアント・ベシクル / PCR / 自己生産 / 自己複製 / セルソーター |
研究概要 |
1)DNA内包型ジャイアントベシクル構成分子としてのアニオン性脂質分子の合成 ポリアニオンであるDNAのベシクル内PCRには、カチオン性膜分子は適さないため、リン酸エステル型の膜分子の合成を計画した。当初設計した膜分子の改良型としてリン酸ヘテロエステルの合成に成功した。 2)一本鎖DNAを取り込んだ自己生産型ベシクルの分裂とDNAの分配 カチオン型膜分子からなる自己複製型ベシクルを用いて、蛍光プローブを担持した15塩基からなる一本鎖DNAを取り込んだ多重膜ベシクルを調整し、膜分子前駆体を添加することでジャイアントベシクルの分裂に成功した。また、それぞれの子ベシクルに一本鎖DNAが分配されていることを、蛍光顕微鏡で確認した(平成18年度春季年会発表予定)。 3)二本鎖DNA内封型ジャイアントベシクルのpHジャンプ・温度ジャンプによる形態変化 70塩基からなる2本鎖DNAを双性イオン型リン脂質(POPC)、PEG付きリン脂質(DSPE-PEG5000)、およびN-ドデシルイミダゾールからなるジャイアントベシクルにpH8の条件下で封入し、pHをpH5にジャンプさせ、さらにDNAの融解温度90度まで温度ジャンプさせた後、冷却したところ、ジャイアントベシクルが不可逆的にバディングを起こすことを見出した。ジャイアントベシクルの内膜に結合したDNAの構造変化が、この不可逆的な形態変化を引き起こしたと考えられる(論文作成中)。 4)セルソーターを用いた自己生産型ジャイアントベシクルの集団解析 細胞の形態の統計的分析に用いられるセルソーターをソフトマテリアル分析用に最適化し、蛍光プローブを担持した膜前駆体を組み込んだ自己生産型ジャイアントベシクルのダイナミクスの集団解析に成功した。ベシクル集団は分裂を繰り返すことで、最初とは異なる形態分布の集団に移行することを見出した(論文作成中)。
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