研究課題/領域番号 |
17350069
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能物質化学
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
河合 壯 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (40221197)
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研究分担者 |
長谷川 靖哉 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 准教授 (80324797)
中嶋 琢也 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教 (70379543)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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キーワード | フォトクロミズム / ターアリーレン / 共役高分子 / 単結晶 / 光化学 / 分子スイッチ |
研究概要 |
π共役ポリマーや分子の性質は、π共役系とその広がりに強く支配されている。π共 役系の広がりを光や外部摂動で制御できれば、従来にない分子レベルの光スイッチングや光メモリが可能となる。特に、光照射に伴い可逆に分子構造が変化するフォトクロミック分子は本質的にπ共役系の構造が可逆に変化することから、光スイッチングユニットとして有力な候補と考えられる。本研究では、光スイッチングユニットの中でも、とくにπ共役系の方向切り替え特性を有するターアリーレン系フォトクロミック分子を中心にπ共役スイッチングユニットの開発を進めた。 ターアリーレン系フォトクロミックユニットとして、立体障害の抑制の観点から、チアゾールやイミダゾールをアリールユニットとして導入したリアリールイミダゾールおよびジアリールチアゾール誘導体を合成した。ジチエニルチアゾール構造の場合には比較的高い反応量子収率を示すことや単結晶状態での高い反応性を観測するなど、比較的優れたフォトクロミック反応性を見出した。単結晶構造解析の結果、チアゾールユニットの窒素原子とメチルチオフェンユニットのメチル水素原子との間で水素結合が形成しており、これが比較的高い反応性の起源となっていることが明らかになった。また、アリールユニットの芳香族性を制御することにより、着色状態の熱安定性が大きく変化する現象を見出した。この現象を利用すると、光照射後に着色状態が速やかに退色しもとの開環体へと戻る新しいタイプの分子スイッチングユニットが可能となると期待される。置換基としてアセチレンユニットを導入することで、着色状態の自然退色速度が大幅に速くなり、緩和時定数は5秒程度まで短縮された。
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