研究概要 |
固体生分解性プラスチック分解酵素遺伝子の改変と機能強化 前年度得られた生分解性プラスチック分解酵素遺伝子(plaM4)について、遺伝子改変による機能強化を行った。同時に取得したplaM4と約90%の相同性を示すplaM5遺伝子を用いてDNA shufflingを行った。PLAは高温条件下では非酵素的に加水分解を起こしやすい高分子ポリマーであるため、高温条件下で放置するとPLAは自然に低分子化する。低分子化したPLAならばPlaM4はこれを分解することができるため、本研究では60°C以上の長期高温条件下でもその活性を失わないPlaM4変異体を取得することを目的とし、熱安定性の向上に重点を置いて変異体のスクリーニングを行った。 その結果、ライブラリー570株から、27株の熱安定性向上候補株が得られた。これら27株を培養後超音波破砕により粗酵素液を得、60°Cで2hrの熱処理後の残存活性を測定した。controlとして用いたnative PlaM4の残存活性と比較した結果、その多くに耐熱性の向上が認められ、特にD7,F2の2種の変異体は全く失活が見られず、きわめて高い熱安定性を持つことが明らかとなった。今回確立された方法は他のプラスチック分解酵素にも応用可能であり、今後対象を広めてさらに検索を行ってゆく予定である。
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