研究課題
基盤研究(B)
○ メチル基の配座ルブレドキシン(野生型)の中性子結晶構造解析の結果から得られたAla43,IIe7のメチル基の水素原子は明瞭に観測されている。このようにして得られたメチル基の立体配座をHHDBでは目視できる。それによると、Ala43のメチル基をCβからCα方向に眺めると、立体配座がstaggered配置になっていることがよくわかる。IIe7の2つのメチル基(Cδメチル基、Cγ2メチル基)についてもそれぞれ、メチル基の立体配座がstaggered配置になっていることがよくわかる。このように確かにタンパク質のメチル基の立体配座はstaggered配置になっている場合が多いのであるが、有機化合物では殆ど存在しないeclipse配置になっている例が観測さている。それがMyoglobinのVall3の末端の2つのメチル基である。Cγ1およびCγ2からCβ方向に眺めたメチル基が両方共echpse配置になっている。一般にメチル基の立体配座を定量的に検証するために、Newman投影のメチル基を含むC-C結合の捻れ角を計算し、捻れ角の度数分布をルブレドキシン(野生型)で求めてみたところ、全体の約10%がeclipse配置になっていることが判明した。○ 水素結合中性子解析では水素原子位置が決定されるので、水素結合を(X-H…Y)と表記し、水素原子を原点、HXを横軸の負の方向に取り、アクセプターYを探索し、プロットしてみた。その結果:1)Xとアクセプター、Yを結ぶ直線上に水素原子が乗る例は殆ど無い。2)水素とアクセプター結合距離(r)と水素結合角(θ1)の間には相関がある。これの本質を解明する試みが現在進んでおり、新たなパラメータとして角HYZ(θ2)を導入するとr,θ1、θ2間に相関があり、アクセプターのYの孤立電子対方向がこれらの相関に関与していることが判明しつつある。
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