研究課題/領域番号 |
17350081
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山本 泰彦 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (00191453)
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研究分担者 |
三田 肇 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (00282301)
長友 重紀 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (80373190)
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キーワード | タンパク質 / ヘム錯体 / 耐熱性 / 電気化学 / 電子移動 / NMR / 熱変性 / 非共有結合性相互作用 |
研究概要 |
耐熱性タンパク質を利用して、従来よりもはるかに系統的、詳細かつ高精度での解析により、電子伝達タンパク質シトクロムcの機能と構造との関係を解明する。そして、電子移動反応に伴う熱力学量を調節する構造化学的因子を明らかにし、得られた知見に基づいて、シトクロムcの酸化還元電位(E^<0'>)を調節する分子設計指針を提唱する。そのためには、電気化学測定によるE^<0'>の熱力学的解析、耐熱性シトクロムcのヘム近傍の立体構造解析および熱力学的安定性の評価、円二色性スペクトルによるタンパク質内部構造の安定性の評価、吸収スペクトルによるヘムの化学的環境およびヘム鉄配位構造の安定性の解析、シトクロムcのE^<0'>とヘム鉄配位構造およびヘムプロピオン酸側鎖の電離との関係の解明を行う。 本研究の目的の遂行は、単にシトクロムCの生物学的機能を物理化学的相互作用で理解するために役立つだけでなく、もっと一般的に生体高分子の機能と構造との相関関係を解明する観点からも重要である。調製済である一連のユニークな耐熱性シトクロムc実験系を利用すれば、電気化学測定により精度良く計測できるE^<0'>の変化を解析することにより、E^<0'>に影響を及ぼす構造化学的因子を決定することが可能となる。本研究の遂行には、私共の構築した一連の耐熱性シトクロムcの変異体の利用、高精度での電気化学計測技術、金属タンパク質立体構造解析手法、設計した生体高分子を利用して新規バイオ電池を構築する技術等が不可欠である。また、得られた知見を生体高分子を精密に分子設計する基本原理として活用する予定であるが、具体的な応用例としては、新規バイオ電池の創製等を考えている。
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