研究課題
基盤研究(B)
本研究テーマは、我々のグループが開発した「固液界面接触分解法」により、様々な高機能ナノ材料の高速合成を目指すものである。本法は、高温に熱せられた触媒と、原料となる有機液体との接触反応による炭素析出を材料合成の基本とする。反応場である固液界面は、化学ポテンシャルの急峻な変化による非平衡場であり、さまざまな構造・機能を有する炭素材料合成実現の可能性を秘めている。本法を確立し、任意の構造制御が可能な合成法を確立するため、生成物の合成条件(具体的には触媒金属の種類及び状態、接触反応温度、有機液体の種類等)依存性の把握を目的に研究を進めてきた。加えて、これら合成パラメータ設定の再現性を向上させるため、合成装置の最適化も行った。その結果、次のことが明らかになった。(1)接触反応温度は、生成物の形態(粒子状、繊維状、膜状)を大きく左右する。繊維状生成物は、反応温度600度で得られる。(2)触媒担持量は、微細構造(直径やグラフェンシート積層枚数等)と成長速度に影響を及ぼす。(3)合成過程に600度と900度を共存させ、合成時間に占める900度保持時間を長く取ることにより、結晶性に優れたカーボンナノチューブを合成できる。(4)触媒の酸化処理により、酸化状態に多様性を持たせた場合に、カーボンナノチューブ発生密度が高く、基板への垂直配向性に優れたカーボンナノチューブが合成可能である。(5)わずか5分程度の合成時間で10ミクロン程度の長さを持つカーボンナノチューブが合成可能である。以上、本研究により、任意の構造を有するカーボンナノチューブを制御性良く、高速合成可能な技術の確立に目途をつけることができた意義は大きい。このように、結晶性及び配向性を制御して合成したカーボンナノチューブについて、電界電子放出特性の測定を試みることで、電子放出開始電圧値及び放出電流の経時安定性に大きく影響する因子は結晶性であることを実験的に明らかにした。
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