研究概要 |
1.炭素材料のメソ多孔化(細孔径、ナノチャンネル径制御法の確立) 活性炭(関西熱化学(株)MSP-20)、カーボンシルク(シナノケンシ(株)、絹を炭化させた活性炭)、ダイヤモンド電極(BDD電極)のそれぞれに、Coナノ粒子を担持し、水素気流中で加熱することによって5〜100nmの細孔と溝を形成させ、制御することに成功した。この多孔化により、スーパーキャパシタのキャパシタンスの向上と金属酸化物の強固な担持が可能となる。また、活性炭の場合には、Coナノ粒子が掘削した跡に数層のグラファイト層が形成されることに成功した。表面の部分グラファイト化により、活性炭の電気伝導率が向上し、キャパシタ特性の向上に繋がる。 活性炭およびBDD表面層に金属ナノ(Co, Ni, Pt)粒子を担持した場合、加熱温度(800-1000℃)を制御することにより、金属超微粒子を半ば埋め込むことができた。この手法によって、金属酸化物の強固な担持法に道を拓くことができた。BDDを用いることにより、金属ナノ粒子による炭素材料の多孔化の様子(細孔の掘削挙動)を明確にでき、多孔化した表面の静電容量の増加の様子を明確にすることができた。 2.形態を制御した金属酸化物の合成とキャパシタ特性の把握 メソポーラスおよびマクロポーラスなRuO_2の合成に成功した。また、NaFe02型層状ルテニウム酸ナノシートの合成とその層剥離を行い、最高で1400F/gものキャパシタンスが得られることを見出した。また、小型燃料電池とハイブリッドさせるため、ルテニウム酸ナノシートを泳動電着で電極面にキャストし、その電極を用いたマイクロスーパーキャパシタのを試作に成功した。
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