研究概要 |
水素吸蔵能力の最も高い元素のひとつであるイットリウム(Y)に注目し, Y格子中への水素浸入の仕方が格子定数, 誘電関数, 電気抵抗率, ホール係数に及ぼす影響を調査した. 定比組成(YH_2)からの水素濃度変位は, i) 格子定数を殆ど変化させないが, 誘電関数すなわち電子構造に影響すること, ii) 残留抵抗の変動を通じてホール係数の変動を誘起すること, iii) このとき, 残留抵抗とホール係数との間に線形な相関が成立することが分かった. この相関の原因として, 正孔濃度≒電子濃度, 正孔移動度≒電子移動度という特性もつ両極性伝導機構を提案し, このモデルと磁気抵抗測定によって, YH_x(x≒2)のキャリヤの濃度と移動度を評価した.
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