研究概要 |
次世代の半導体デバイスの構造は,サブミクロンオーダーでの高機能化,高集積化とともに,その領域での精緻な構造・組成のデザインおよび制御が重要になっている.そのため,デバイス中の各パーツの結晶構造や応力分布もまた多様化しており,デバイスの特性や寿命の劣化を引き起こす原因にもなっている.これらデバイス特性の向上には,劣化原因である局所的な格子歪や結晶組成を解析し,最適な構造にすることが必要である.本研究の目的は,次世代デバイス開発を目指し,デバイス中のサブミクロンの領域を,格子歪Δd/d〜10^<-5>という高感度で評価できる高分解能マイクロX線回折法を開発することである.平成18年度の開発では,以下の研究開発項目を実行した. 1.高分解能マイクロX線回折システムの改良:これまで,本システムはBL46XUで開発してきたが,分光器が水冷式のため熱歪により放射光のコヒーレンス度が劣化する問題があった.このため,ビームサイズが900nm程度にとどまっていた.そこで,本回折計の架台部分を改造し,液体窒素冷却分光器を備えたアンジュレータビームラインBL13XUで実験を行えるようにした.これにより,これにより、垂直方向のビームサイズが500nmになった。 2.歪緩和SiGe緩衝層の局所歪測定:開発した高分解能マイクロX線回折システムにより歪緩和SiGe緩衝層の局所歪測定を行った。その結果、サブミクロンサイズのドメイン構造を評価できることが分った。 3.GaN系レーザ構造の局所領域歪計測:サブミクロンサイズに集光されたX線ビームを使用することで、レーザのリッジストライプの微小領域でのX線回折を測定することができた。リッジストライプ領域で得られたX線ロッキングカーブは、ストライプ領域以外のデータとの比較において大きな変化が観測され、リッジストライプ領域には局所的な歪みが生じていることが確認された。
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