研究課題
基盤研究(B)
1.ガラス基板上のポリチレン薄膜や医療用シリコーンラバーシートに炭素負イオンをスリット列のマスクを介して注入処理を行い、ラット骨髄由来の間葉系幹細胞を播種して培養した結果、炭素負イオン注入のパターンに沿って、自発的な配列接着が得られた。最適注入処理条件は、注入エネルギーが5〜20keVの範囲ではポリスチレンが3×10^<14>ions/cm^2で、シリコーンラバーでは1〜3×10^<15>ions/cm^2と約一桁多い注入量となった。これはシロキサン結合が炭素-炭素結合エネルギーを有しているため、炭素負イオン注入処理では強い処理が必要となるためである。このように炭素負イオンパターン注入による高分子基材上での間葉系幹細胞の自発的パターン配列に成功した。2.間葉系幹細胞が自発的パターン並列接着を示した後に、βメルカプトエタノールを刺激剤とした2培地交換法による分化誘導を行った結果、パターン配列を維持したまま神経細胞に分化させることに成功した。そして、分化した細胞からは神経特異エノラーゼを検出でき、神経細胞であることが判明し、負イオンパターン注入処理で配列させた間葉系幹細胞から人為的な神経回路網形成を実現した。なお、容量性電極を組み込んだポリスチレン上での間葉系幹細胞から分化した神経細胞への電気刺激は、電極の溶出などの問題で実施出来なかった。3.脳神経細胞を用いた負イオンパターン注入処理による人為的神経回路網の形成では、ラット胎児大脳皮質神経細胞の接着にはポリDリジンが必要であるため、先行してポリDリジンを基材上にコートし、パターン負イオン注入パターン処理を行った。その結果、ポリDリジンへの炭素負イオン負イオンではそのデグラデーションにより未注入領域に神経細胞を選択接着させることに成功した。
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