研究概要 |
1. AlGaAs系QPMデバイスの開発 GaAs/Ge/GaAs副格子交換エピタキシー法を用いたAlGaAs系QPMデバイスの開発を継続して進めた。高屈折率差導波構造を採用することで,基本波波長1.5μmのSHG規格化変換効率で45000%/W/cm^2という従来のデバイスを2桁以上も上回る高効率化が可能であることを理論計算から示した。これを実現するためのRIEなどの各種プロセスについても検討をおこなった。一方,高効率化に不可欠な低損失化に関しては,前年度の成果に基づき,低温成長により平坦化導波路の評価をおこなったが,低温成長そのものによると思われる大きな伝搬損失が存在することが判明した。今後,その原因を究明していく必要がある。 2. GaP副格子交換エピタキシー 高出力Yb : YAG励起時の二光子吸収による端面損傷を回避できると期待されるAlGaP系QPMデバイスの開発を念頭において,GaP/Si/GaP副格子交換エピタキシーの研究をおこない,【011】方向に微傾斜した(100)基板を用いることで再現性好く副格子交換を実現できることを確認した。現在,この手法を用いてAlGaP系QPMデバイスの作製に取り組んでいる。高品質デバイス作製には副格子交換GaPエピタキシャル膜の一層の結晶性向上が必要と考えられるが,完全格子整合系であるSiGe混晶を中間層に用いることを検討している。 3. Yb : YAGレーザの高性能化 Yb : YAGレーザの高出力かに取り組み,ヒートシンクに改良を加えることで単結晶Yb : YAGとセラミックYAGのハイブリッド系エッジ励起レーザで300W CW発振を実現した。また,レーザキャビティ構成を変更することで横モード特性を大幅に改善でき,M^2=17(CWレーザ出力230W)を達成した。
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